
都心から約90分!「房総のむら」で日本の文化と伝統を体験
印旛郡(千葉県)
2020/02/20 更新
※情報は更新日時点のものです。施設や店舗の営業状況が変更されている場合があります。最新の情報は各施設や各店舗の公式ホームページでご確認ください。
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千葉の成田市にある真言宗智山派のお寺「成田山 新勝寺」。「川崎大師 平間寺」「高尾山 薬王院」と並び、関東三大本山のひとつと言われています。
開山から約1080年。歴史のあるお寺です
初詣以外の時期も多くの方で賑わっていて、年間の参拝者はなんと約1,000万人!「成田不動」「成田のお不動さま」とも呼ばれ、多くの方に親しまれているお寺です。
今回、成田山新勝寺に実際に行ってきましたので、ご利益、御朱印、表参道のグルメなど、気になる情報をお伝えしたいと思います。
成田山新勝寺には入り口が数カ所ありますが、「総門」と呼ばれるヒノキ造りの門がある場所が正面口になっています。
2007年に建立された、高さ15mの大きな門です
総門には十二支の動物の彫刻がありますので、くぐる時に自分の干支を探してみてはいかがでしょうか?
正面には未(ひつじ)が彫られています
総門を通って境内をまっすぐ進んで行くと、「仁王門」が見えてきます。仁王門は江戸時代に建立された門で、国の重要文化財にも指定されている貴重な門です。
築地魚河岸講によって奉納された大きな提灯が目をひきます
なお、こちらの階段は傾斜が急なので、不安な方は左右にある比較的ゆるやかな傾斜の階段をおすすめします!
また、大本堂の近くには手水舎がありませんので、階段の手前にある手水舎で清めておきましょう。
手水舎。こちらで手と口を清めます
仁王門を通り、その先にある階段をさらにのぼっていくと、香閣(こうかく)と大本堂がある場所に出ます。
※香閣…線香の煙で心を清める場所
大本堂。1月や年中行事の時は五色幕で彩られています
香閣で煙を浴びたあと、大本堂の階段をのぼって行き、参拝の場所へと到着!
参拝の方法は、お賽銭を入れたあとに一礼⇒合掌してお祈り⇒さいごに一礼です。
多くの方で賑わう大本堂の参拝所
大本堂には成田山新勝寺の御本尊「不動明王」が安置されていて、厄除開運、健康長寿、商売繁昌、学業成就などすべてにご利益があると言われています。心静かにお参りしましょう。
参拝後は、大本堂の中へと足を運んでみてはいかがでしょうか?
大本堂では毎日数回、僧侶による「お護摩」というご祈祷が行われています。
296畳もの広さがある大本堂。どなたでも入ることができます
お護摩とは、護摩木という特別な薪を焚き上げて、願いごとの成就を祈る儀式です。あらかじめお護摩申込みをしておくと、願いごとを書いたお護摩札を火で清めて祈願してくれます。
お護摩の様子。平安時代から、一日も欠かさず行われているそう
そしてお護摩祈願の時に、バッグやお財布など身のまわりの持ち物にお護摩の火をあてる「御火加持(おひかじ)」も行われます。
こちらは特に事前申し込みなどは必要なく、その場で僧侶の方に持ち物を渡すと、お護摩の火にあててくれます。
バッグなどを集める様子。この日も多くの方がお願いしていました
お護摩の火にあてることでお不動様のご利益がいただけ、持ち物がお守りのようなものになります。火をあてていただいたものは、大事にしましょう!
さいごに、全員でお不動様の御真言を唱えてお祈りをし、お護摩祈祷は終了です。
お護摩祈祷の時間は時期によって変わりますので、詳しい時間は下記公式ホームページをご参照ください。
成田山新勝寺には、大本堂の両隣など境内の数カ所にお守り頒布所があります。
参拝後、大本堂を出て右手にある、大きな御守受場に立ち寄ってみました。
棒を引くタイプのおみくじもこちらにあります
お守りは、交通安全や開運厄除、病気平癒など約30種類。願いごとに合わせて、選びましょう!
中央の身代わりお守りは、災いが起きそうな時に割れて守ってくれるそう
開運絵馬や健康長寿絵馬など、絵馬もこちらでいただけますよ。
各お堂の絵馬が揃っています
成田山新勝寺の境内には、ちょっと珍しいおみくじもあります。それがこちらの、おみくじ自動販売機です!
計4台設置されています
100円を入れたら、ストップボタンを押します。すると、選ばれた紙のおみくじが取り出し口から出てきますよ。
なお、成田山新勝寺のおみくじの順番は「大吉・吉・半吉・小吉・末吉・末小吉・凶」です。大凶はありませんので、ご安心を。
成田山新勝寺では、全部で6種の御朱印(初穂料各300円)をいただくことができます。それぞれもらえる場所が違いますので、下記御朱印マップをご参照ください。
大本堂、光明堂、釈迦堂、出世稲荷、醫王殿、平和の大塔でいただけます
大本堂や各お護摩受付所では、御朱印帳(初穂料2,000円)の用意もあります。まだ御朱印帳をお持ちでない方は、こちらで入手してはいかがでしょうか?
御朱印帳(サイズ縦18cm、横12cm)は1種類。ピンク、赤、紺があります
■受付時間:各所8:00~16:00
※初詣時期や、年中行事の時などは待ち時間が発生します
成田山新勝寺はかなり広いお寺で、大本堂以外にも複数のお堂や広場などがあります。ここでは、その一部をご紹介します!
大本堂の近くにある「三重塔」は、1712年に造られたもので、国の重要文化財にも指定されている貴重な建物です。
照範上人が4年をかけて完成した塔です
塔には鮮やかな色彩の彫刻が施されていて、とても華やか!思わず見入ってしまいます。
雲の模様や龍が彫られています
周囲には「十六羅漢」の姿も彫られていますので、見てみてくださいね。
大本堂から向かって左側の方へ進んで行くと、成田山新勝寺のかつての本堂だった「釈迦堂」があります。こちらは厄除けお払いの祈祷所になっていますので、厄年の方などはこちらで厄除けをしましょう!
釈迦如来や、普賢・文殊・弥勒・千手観音の四菩薩が安置されています
なお、建物は総ヒノキ造りで、外の壁には五百羅漢などの彫刻がほどこされています。
江戸時代の仏師・松本良山が彫ったもの。10年の歳月費やしたそう
こちらの羅漢様、一人ひとりの表情を良くみると、亡くなった親族や知人の面影が必ず見受けられると言われているそうです。じっくりと、見てみてくださいね。
続いてご紹介するのは、大本堂の裏から階段をのぼり、奥へと進んだ場所にある「額堂(がくどう)」。
額堂とは、絵馬や奉納額を掲げる建物のことで、以前はこちらにたくさんの絵馬類が掲げられていたそうです。
※現在、絵馬類は成田山霊光館に保存されています
1861年に建てられたものです
お堂の中には、歌舞伎界の名優・七代目市川團十郎の石像があります。市川團十郎家は代々不動尊を崇敬していて、成田山と関わりが深いんです。
額堂では、自ら茶菓子を出してもてなすこともあったそう
こちらの像は元々、市川團十郎が寄進した初代の額堂にあったそうですが、そちらが焼失してしまったため現在の場所に移動されたそうです。
額堂からさらに奥に進んで行くと、大きな赤い二重の塔が目に飛び込んできます。
こちらは「平和大塔」という5階建ての塔で、1階には成田山の歴史展や写経道場があり、2階には大きな不動明王像をはじめ大塔の御本尊が安置されています。
高さ58m!大きさに圧倒されます
1階と2階はどなたでも入れますので、足を運んでみてくださいね。(1月中など5階まで上がれる日もあります)
大本堂から少し離れた境内の右奥には、出世稲荷大明神が祀られている「出世稲荷」があります。出世したい!という方はぜひこちらをお参りしましょう。
神社ですがお寺の境内ですので、合掌1礼でお参りします
また、こちらの神社には名刺を奉納して出世を祈願する場所や名刺を貼りつけて奉納する絵馬もあります。訪れる際は、名刺をお忘れなく!
総門を出て、国道51号線方面へ進んで行った少し離れた場所には、「交通祈祷殿」があります。
こちらは交通安全祈祷をする場所で、人だけでなく、クルマも合わせてご祈祷していただけます。
ご祈祷の様子。バイクや自転車も受け付けています
特に事前の予約は必要ありませんので、当日、クルマでこちらに来て受付をしましょう!
色々と参拝したあとは、境内の左奥辺りにある「奥山広場」に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
みそおでん、焼き鳥、もつ煮込みなど軽食を販売する売店やお土産屋さんなどが集まっていて、見ているだけでもワクワクした気分になります。
奥山広場。懐かしい雰囲気のお店が立ち並びます
なかには占いのお店も数軒あり、巷では当たる!と評判になっています。
この日は平日でしたが、何軒かお客さんが並んでいました
占いたいことがある方は、利用してみてはいかがでしょうか?
成田山新勝寺では、四季折々の風景が楽しめ、季節ごとの行事なども行われています。ここでは、特に人気の2つをご紹介します!
2月3日に行われる成田山節分会は、毎年約6万人が訪れる一大行事!大相撲力士や俳優が特別年男となり、豆まきをします。
大本堂の周辺で行われます
ちなみに、節分会のかけ声は「福は内」のみで、「鬼は外」は言いません。お不動様の大慈悲心により、鬼でさえも心を入れ変えてしまうからだそうですよ。
成田山新勝寺には、東京ドーム約3.5個分の大きな公園「成田山公園」もあります。
こちらでは、毎年11月中旬から12月上旬頃になると、赤や黄色などキレイな紅葉を見ることができます。
モミジ、イチョウ、ナラ、クヌギなどが約250本植えられています
紅葉の時期には、茶室での茶会や演奏会などが行われる、「紅葉まつり」も開催されますよ。
JR成田駅の駅前から成田山新勝寺まで、約800mの表参道が続いています。
表参道は江戸時代から門前町として栄えている場所で、現在も風情があり、観光スポットとしてもおすすめです。
お煎餅屋さんやお団子屋さん、おそば屋さんなど数多くのお店がありますが、ここではおすすめ店をご紹介したいと思います!
成田山に来たら外せないのが、名物の「うなぎ」!成田は印旛沼が近いため、うなぎの食文化が古くから根づいています。
表参道にはうなぎが食べられるお店が数店あるのですが、おすすめは成田山新勝寺総門のすぐ横にある、「駿河屋」。
江戸時代から創業している老舗のうなぎ屋さんです
こちらでは、代々受け継がれた秘伝のたれを使用した、上質なうなぎが味わえるんです!
店頭では、職人さんがうなぎをさばく様子や焼く様子が見られますよ。
うーん、おいしそうな香り!
店内は、全部で約250席。昔ながらの和の情緒があふれる、落ち着いた雰囲気です。
1階と2階に席があります
一番人気のメニューは、こちらのうな重。注文が入ってからうなぎを蒸してくれるので、いつ来てもでき立てが食べられます!
※注文から提供までは約25分かかります
うな重3,450円。きもが丸ごと1つ入ったきも吸いとお漬物つき
箸を入れると、まずはふっくらとした厚みに驚きます!そして口に入れると、炭火焼きの香ばしさと身の濃厚な旨味、とろけるような脂が口に広がります。
脂がのった、おいしいうなぎです!
タレは下総醤油を使用した甘さ控えめの上品な味で、素材の良さが存分に堪能できますよ。香りが高くピリっとする「ぶどう山椒」もありますので、お好みでかけてみてくださいね。
うな重はうなぎの量に合わせてごはんの量も多くなっていて、ボリューム満点!行かれる際には、お腹を空かせて行くことをおすすめします。
なお、駿河屋は人気店のため、ほぼ待ち時間が発生します。ただ、整理券を発行してくれますので、店頭で待つ必要はありません。成田山新勝寺に行く前に整理券を発行し、帰りに寄る…ということも可能ですよ。ぜひ、極上のうなぎを味わってみてください!
■営業時間:10:00~16:30(ラストオーダー)
■定休日:木曜
■予約不可
ちょっとひと息つきたい時におすすめなのが、甘味処「三芳家(みよしや)」。
表参道から少し路地を入ったところにある隠れ家的なお店で、一歩入るとまるで違う空間が広がっています。
表参道の賑やかさとは打って変わって、しっとりとした雰囲気
お店の敷地内には庭園や竹林、小さな滝などがあり、季節の風景を楽しむことができます。
訪れた時には椿などが咲いていました
席は縁側の席のほか、屋内のテーブル席・カウンター席があり、ほとんどの席から庭園の緑が眺められますよ。
窓が大きいのがうれしいです!
メニューはおしるこやあんみつ、わらび餅やくずきりなど数種類ありますが、私のおすすめはこちらのクリームあんみつ!こしあんと粒あんが両方入っていて、具沢山で色々な食感や味が楽しめます!
クリームあんみつ830円。お茶と漬物付き
あずきは北海道産、寒天は熊本の天草産のもので、どちらも風味豊か。ゆっくり味わいたい一品です。
なお、こちらの三芳家では、一年を通してかき氷のメニューもあります。ふわふわの食感でおすすめですので、ぜひかき氷も食べてみてくださいね。
■営業時間:10:00~17:00
■定休日:水曜※1月・5月・9月は無休
■予約不可
お土産で迷ったらぜひ立ち寄っていただきたいのが、成田山の表参道沿いにある「なごみの米屋 總本店」。
こちらは1899年創業の老舗の和菓子屋さんで、成田名物の栗羊羹をはじめ、さまざまな和菓子があります。
こちらが總本店です
なごみの米屋の創業者は、栗羊羹を日本で一番初めに作り、販売した方といわれています。栗羊羹の元祖ですね!その伝統の技と味が今でも受け継がれていて、成田山の定番土産として愛されています。
店頭にはさまざまな種類の羊羹が並んでいます
栗羊羹は極上羊羹、ひとくち羊羹など数種類あるのですが、こちらの「美味伝承栗羊羹」は、昔ながらの舟流し(舟と呼ばれる器に流して固める製法)で作られたもの。
栗の風味が豊かで、羊羹は柔らかく品のある甘さ。お茶と一緒に食べると、至福のひと時を味わえます!
美味伝承栗羊羹1,200円。大きな栗がゴロリと入っています
なお、總本店内には喫茶も併設されていて、店頭で販売している1万円の羊羹「宵紫」をカットしたものを食べることも。こちらもぜひ、味わってみてくださいね。
※時期により無い場合もあります
栗羊羹以外に、成田産の食材を使用した焼き菓子や、サブレや最中などもあります。洋菓子のテイストを取り入れたお菓子もあり、幅広いラインナップです。
写真左上のなごみるくは、創業120周年を記念して作られたもの
なかでも人気なのが、かわいいパッケージに入ったぴーなっつのお菓子。知っている方も多いのではないでしょうか?
ぴーなっつ最中のほか、ぴーなっつ饅頭とぴーなっつパイがあります。
最中、饅頭、パイがセットになった千葉めぐり(1,300円※3種8個詰)
もちろん、見た目が良いだけでなく、味もおいしいですよ。自宅のお土産にも、贈りものにもおすすめの品です!
なお、なごみの米屋 總本店の裏手には、「成田羊羹資料館」という施設があり、どなたでも自由に入ることができます。
入館は無料。1階では企画展も行われています
羊羹の歴史や、日本各地の羊羹についての展示などがあり、興味深い内容ですので、こちらもぜひ立ち寄ってみてくださいね。
以上、成田山新勝寺と表参道のおすすめ店をご紹介しました。
節分会がある2月と、「正五九」と呼ばれるお参り月である1月、5月、9月は混雑しますので、時間に余裕を持って行きましょう!(お護摩祈祷は11時~12時頃が一番人が集まるそうです)
■参拝時間:8:00~16:00
■無料休憩所あり
■大本堂までのエレベーターあり
【クルマでお越しの場合】
最寄りのICは東関東自動車道・成田ICで、そこから約10分で到着します。
東関東自動車道は圏央道と繋がっていますので、県外からもアクセスしやすいです!
■駐車場について
成田山新勝寺に無料の駐車場はありません。近隣に有料の駐車場が多数ありますので、そちらを利用しましょう。
\最大料金が設定されている場所も!/
【電車でお越しの場合】
最寄り駅は京成電鉄・京成成田駅もしくはJR線・成田駅で、どちらも徒歩約10分で到着します。
【成田空港からお越しの場合】
成田空港からはクルマの場合は約15分、電車の場合は成田空港駅・空港第2ビル駅から京成成田駅・成田駅まで約8分です。(そこから徒歩で約10分)
※この記事は2020/02/20時点のものです
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