
下関観光で外せない!唐戸レトロの歩き方
下関(山口県)
2024/08/29 更新
※情報は更新日時点のものです。施設や店舗の営業状況が変更されている場合があります。最新の情報は各施設や各店舗の公式ホームページでご確認ください。
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山口県防府市に、京都の北野天満宮、福岡の太宰府天満宮と並び日本三天神の一つと云われている「防府天満宮(ほうふてんまんぐう)」があります。
防府天満宮。毎年多くの参拝者が訪れています
学問の神様として知られる菅原道真公をはじめ、道真公の御祖先も併せて祀る歴史の深い神社で、創建は904年。道真公の御霊をお祀りした日本最初の天満宮でもあります。
家内安全、健康長寿、商売繁昌など様々なご利益がありますが、菅原道真公を祀っているとあり、合格祈願や学業成就で訪れる人が絶えません。
毎年全国からたくさんの受験生が訪れて、絵馬を奉納しています
お守り頒布所では、合格した受験生が返納した「合格はちまき」の無料配布も!巫女さんが心を込めて洗濯し、アイロンをかけてくれた特別な一枚です。
丁寧に洗われた「合格はちまき」。先輩たちが合格した縁起の良いはちまき!
前置きが長くなりましたが、今回はそんな合格祈願で有名な「防府天満宮」の見どころなどを皆さまにお伝えしたいと思います!
入り口にある石鳥居、青銅鳥居を通り参道を進んで行くと、大きな石階段があります。
階段の数は、全部で58段。上りきると、鮮やかな朱色の楼門がパッと目に飛び込んできます!
おごそかな雰囲気で参拝者を迎えてくれる大石段
こちらの大石段なのですが、ゴールデンウィーク期間中には「幸せます」の花文字でデコレーションが!ちなみに“幸せます”は、山口県の方言で「幸いです。うれしく思います。助かります。ありがたいです。便利です。」の意味を持つそう。素敵な言葉ですね!
花文字で彩られる「防府天満宮大石段花回廊」
なお、年度によっては違う言葉の場合もあります。今年はどんな花文字が現れるのか、楽しみですね!
また、毎年11月の第4土曜日に開催される「御神幸祭(ごじんこうさい)」通称裸坊祭(はだかぼうまつり)では、約5千人の裸坊たちが道真公の御霊を乗せた500kgの御網代輿(おあじろこし)を担いで大石段を滑り降ります!
※裸坊…白装束で祭に奉仕する人たちのこと
防府天満宮最大のお祭りです
滑り降りる様子は、大迫力!まさに西日本屈指の荒祭です。
石段を登って行くと、大きな牛の像が見えてきます。
実は道真公は牛と大変ご縁があるということで牛が「神の使い」とされています。ご利益のある牛を撫でれば、願いが叶う…かも知れません!
参拝客や地元の方にも親しまれている「夢叶う牛」
また、毎年2月には、なんと本物の牛が当たる「牛替神事」というお祭りがあります!
11月の御神幸祭で奉仕する神牛です
牛替神事では、市内の小学生により抽選が行われます。矢を射って組を選び、木札を槍でつき番号を選びます。
抽選の様子。抽選は毎年2月3日の18時から
神牛が当たった方は次の御神幸祭で「神牛役」として奉仕し、その後、その牛は当たった人がもらえるそうです。
~抽選に参加するには?~
神牛が当たる抽選に参加するには、番号券が必要です。年末年始に防府市内商店街で牛替券を入手し、それを節分の日に番号券に引き換えましょう!
楼門をくぐり、いよいよ拝殿へ。
拝殿は、登録有形文化財に指定されています。彫刻などの装飾を減らした、平安時代の落ち着きある様式が取り入れられています。
火災により何度か焼失していますが、その度に再建され、現在の建物は昭和33年に全国から集まった多くの支援をもとに完成したものです。
楼門をくぐり抜けて正面にある拝殿
防府天満宮は神社ですので、2礼2拍手1礼で参拝します。大石段を登りきった右手に手水舎があるので、参拝前に身を清めておきましょう。お賽銭はお気持ちの金額で大丈夫ですよ。
年末年始は参拝客で大にぎわい!
拝殿の左手には、お守り頒布所があります。こちらでひと際目を引くのが、真っ赤で大きな鯛!「目出鯛」にかけた一年安鯛おみくじ(1回300円)です。運試しに釣りあげてみませんか?
飾っても可愛い鯛の形。中には金色の鯛が入っていることも!
※写真は取材日時点のものです
ちょっと変わった防府ならではのお守りもあります。「落ちない」お守りということで、航空学生に人気なのがこちらの空守(そらまもり)です。
白と青でスタイリッシュなデザインの空守1,000円
防府市に航空自衛隊の教育基地があることから、考案されたそうですよ。
続いてご紹介するのは、「LOVE」の文字が入ったお守り。英語のお守りは珍しいのではないでしょうか?
子宝に恵まれ、家族愛に満ちていたとされる道真公にあやかり、このお守りを持った人に「LOVE=愛」が満ちますよう…そんな願いが込められたお守りです。
色もカラフルなLOVE神社御守800円
なお、境内にはLOVEの文字が刻まれた石碑もあります。防府市内在住のご夫婦が、病気が回復した感謝の気持ちを込めて平成19年に奉納したそうです。こちらは大切な人と、ぜひ訪れてほしい場所です。
「LOVE」と彫られた、斬新なデザインが特徴的!
お守り頒布所では、御朱印もいただけます。受付時間は8時半〜20時の間で、初穂料として500円を納めます。
お守り頒布所。こちらで御朱印がいただけます
御朱印のデザインは通常1種類ですが、七夕祭りや御神幸祭などの時は限定御朱印が頒布されることも…。
御朱印帳は、道真公が愛したといわれる梅の花をモチーフにした上品なデザイン。帳面の初穂料1,000円、御朱印帳袋も1,000円で頒布しています。
※御朱印の種類により初穂料が異なります
(左)梅の花があしらわれている御朱印帳、(右)御朱印
お守り頒布所から西門を出て奥に進むと、境内でも存在感を放つ、「春風楼(しゅんぷうろう)」という建物があります。
江戸時代に五重の塔として工事が始まるも、資金難のため中断。残った建物を利用して、明治6年に今の形で完成しました。五重の塔の名残が軒下に見られる、珍しい建物です。
登録有形文化財に指定されています
春風楼からは防府市内が一望でき、市内屈指のビュースポットになっています。ビアガーデン会場になったり、剣道や柔道の奉納行事が行われたりと、市民の憩いの場です。
眼下に広がる防府市内
春風楼の中で上を見上げると、迫力ある龍を発見!どこにあるかは、探してみてくださいね。
今にも動き出しそうな龍の彫り物
春風楼から大石段に戻る途中、境内にある「歴史館」に立ち寄りました。こちらでは、防府天満宮の歴史を学ぶことができます。
宝物が数多く収蔵されている歴史館
館内では国の重要文化財や県・市指定文化財、その他約500点の宝物などが保管・展示してあり、見ごたえ十分!
特に注目したいのは、重要文化財の「紙本著色松崎天神縁起」です。鎌倉時代に描かれた絵巻物で、当時の人々が今と変わらず、防府天満宮を参拝している様子が生き生きと描かれています。
※松崎天神は防府天満宮の古称
ガラスケースに展示されています
写真では詳しくお伝えできないので、ぜひ、実際に行ってご覧になってくださいね!
【防府天満宮 歴史館】
■入館料:大人500円、高校生以下無料
■入館時間:9:00~16:30
続いて、大石段を下りた左側にある、茶室「芳松庵(ほうしょうあん)」へ。
こちらは、道真公とお茶の深い関わりを後世に伝えるため、平成3年に建立されたお茶室です。
大人数でもゆっくりとお茶を楽しめます
道真公は学問のみならず、お茶に関する調査・研究を行い、喫茶の文化を広めたとして「茶聖菅公(ちゃせいかんこう)」と称されています。
お茶室では、地元の和菓子と一緒にお抹茶を楽しめます。おいしいお抹茶で一息つけば、「茶聖菅公」の御心に近づけるかも!?
庭園を眺めながら、お抹茶とお菓子でひと休み
そしてぜひとも訪れて欲しいのが、こちらのお庭!表門をくぐると、周りの喧噪が無くなり、緑豊かな庭園が広がります。
小川のせせらぎと、四季折々の美しい光景に心が安らぎます
敷地内には高杉晋作などをはじめ幕末の志士たちが密議を交わしたといわれる建物「暁天楼(ぎょうてんろう)」が移築・再建されており、歴史ファンも必見です。
【茶室 芳松庵】
■拝観料:500円(お抹茶お菓子付き)
■拝観時間:9:30~16:00
お茶室から石段を挟んだ向かい側では、大専坊跡の見学ができます。
こちらは毛利元就が大内義長を討った時の参謀本部であり、幕末の頃には長州諸隊「遊撃隊」の本部でもありました。
立派な門構えの大専坊跡
様々な時代で歴史の舞台となってきた大専坊。あの伊藤博文も、幼少期にここで勉強したそうですよ!
防府天満宮の参道周辺には、ランチにちょうど良い飲食店があります。ここでは、おすすめ店舗をいくつかご紹介します!
最初にご紹介するのは、「カフェSweet Home」。「まちの駅うめてらす」内に併設されているので、お土産を買ったあとの休憩に持ってこいです。
ご飯を食べながら旅の計画をたてるのも良し♪
Sweet Homeでは、地元産食材をふんだんに取り入れたメニューが人気です。おすすめは、「今月のランチ(1,250円)」。ボリュームたっぷりで、お腹も気分も大満足です!
ボリュームも栄養もたっぷりの今月のランチ
※画像はイメージです
なお、ドリンクバーも含まれているので、食後の一杯も楽しめますよ。
ちなみに、Sweet Homeではソフトクリームやドリンクなどテイクアウトメニューも充実していますので、こちらも利用してみてくださいね。
※「天とて屋かふぇ」は、2022年6月に移転リニューアルしました
次にご紹介するのは、石鳥居の近くにある「天とて屋かふぇ」です。
参拝後に気軽に立ち寄れるのが嬉しい「天とて屋かふぇ」
店内は落ち着いた照明で、リラックスできる雰囲気。ホッとひと息つきたい時にもおすすめの場所です。
お昼時は観光客や地元の人で賑わいます
ランチメニューは、肉うどんやカレーライス、1日40食限定の手づくり和食など。
どれもおすすめなのですが、私のお気に入りはこちらの玉子かけご飯「梅ちゃん」!梅の形をしたご飯と、色とりどりのトッピングが添えられたどんぶりです。
かわいくて食べるのがもったいない!インスタ映えする人気メニューです
天とて屋かふぇには他にもコーヒーやラテ、お抹茶などのドリンクや、ぜんざいやケーキなどもあります。合わせて召し上がってみてはいかがでしょうか?
続いてご紹介するのは、防府天満宮直営のお食事・お土産処「紅梅殿」。
こちらは授乳室やオムツ替え台がある「赤ちゃんの駅」も備えていますので、赤ちゃん連れの方におすすめですよ!奥には座敷もあり、ゆっくり寛げます。
春風楼の近くにあります
うどんなどの軽食のほか、お土産の販売もありますので、チェックしてみてくださいね。
防府天満宮の石段下には、お土産や観光情報が入手できる「まちの駅うめてらす」があります。誰でも無料で休憩できるスペースもありますので、帰り際などに寄ってみてはいかがでしょうか?
まちの駅うめてらす。おいしいものや防府の観光情報が揃っています!
うめてらす館内の特産品・お土産コーナーには、数多くのお土産が並んでいます。ここでは、その中からおすすめのお土産を3つご紹介したいと思います!
※商品の販売状況は変更になる場合があります
山口県の代表的な特産品のひとつ。ういろうは各地にありますが、山口のういろうはわらび餅のようなぷるぷるもちもちとした独特の食感!地元でも愛されています。
「ほうふ外郎」
「みんなの願い事が叶いますように」と願いをこめ、地元の老舗和菓子屋さんが一つひとつ丁寧に作ったきんつばです。控えめな甘さが嬉しい、どの世代にも愛される一品です。
「叶えきんつば」
熱した瓦に茶そば、玉子や肉を乗せていただく山口の郷土料理「瓦そば」。こちらは乾麺とだしがセットになっているので、家庭で気軽に楽しめます。防府の魅力が詰まったパッケージにも注目!
「山口名産 長州屋 瓦そば」
防府天満宮では、季節により様々なイベントが開催されています。ここでは、その一部をご紹介します。
※年度によりイベント内容が一部変更になる場合があります
梅の花を愛し続けた道真公。防府天満宮では毎年2月になると約16種類1,100本の梅が咲き誇り、境内には梅の香りが広がります。
色も形も様々な梅。来る人の目を楽しませてくれます
開花時期に合わせて、「梅まつり」も行われます。梅まつりでは、道真公ゆかりの稚児舞(小学生による神楽舞)や、甘酒や出世梅の無料配布も!
出世梅(梅酒造りに使用された梅をお祓いしたもの)の配布は毎年大好評!
また、うめてらす館内では梅の花をモチーフにした吊るし飾り「うめもん」作り体験が行われるなど、梅にちなんだ行事が盛りだくさんです。
防府市では、ゴールデンウィークを「幸せますウィーク」とし、市内各所の観光施設でイベントを開催しています。
過去には防府天満宮の茶室芳松庵にてコンサートが開催されたことも!
コンサートの様子
「御誕辰祭(ごたんしんさい)」は道真公のお誕生日をお祝いする行事で、8月3日から5日にかけて開催されます。
夜になると石段に並べた約2,000本のぼんぼりに灯りが点き、まるで光の川のよう。最終日には花火もあがり、夏の夜を彩ります。
暖かい灯りにウットリ…
防府天満宮の「七夕まつり」では、期間中様々なイベントが行われます。中でも人気なのが、ビニール傘を組み合わせて作る傘玉による光のアート!光り輝く傘玉で、星空を演出します。
幻想的な雰囲気の防府天満宮境内
防府天満宮の周辺には、他にもおすすめのお出かけスポットがあります。ここでは、防府天満宮からクルマで約15分圏内にある「毛利博物館」、「周防国分寺」、「東大寺別院阿弥陀寺」をご紹介します。
防府天満宮からクルマで約10分の場所にある「毛利博物館」は、旧長州藩主毛利家の本邸や毛利家に伝わる文化財などが見られる博物館です。
本邸は国の重要文化財に指定されています
国宝の雪舟画景色や美しい回遊式の庭園など、見どころがたくさんありますよ!
防府天満宮からクルマで約5分の場所にある「周防国分寺」はおよそ1,200年の歴史があるお寺で、古くからの建造物や仏像が多く残されています。
重要文化財の本尊藥師如来坐像。室町時代につくられたものです
境内には災いや厄を“滑り落とす”という意味を込めた「さるすべり」の木が約150本植えられていて、夏~秋頃には赤や白、ピンク色の花も見られます。
防府天満宮からクルマで約15分の場所にある「東大寺別院阿弥陀寺」は、東大寺の周防別所としてつくられたお寺です。「アジサイ寺」としても有名で、境内には約80種4,000株のアジサイが植えられています。
毎年6月頃になると、境内は美しい色彩で彩られます
お皿を投げて祈願する「かわらけ投げ」や珍しい「石風呂(月に一回入浴可能)」もありますので、ぜひ訪れてみてくださいね。
防府には、「防府天満宮(茶室芳松庵または歴史館)」「毛利氏庭園」「周防国分寺金堂」「東大寺別院阿弥陀寺宝物館」の4施設をお得にまわれる“共通超割拝観券”があります。
その名も、「知っちょるCa」!すべてまわると計1,800円かかるところ、なんと1,200円になります。これは、知っておかないと損ですよ~。
クレジットカードや電子マネーでも購入できますので、利用してみてくださいね。
以上、防府天満宮の見どころやランチ情報、周辺施設などをご紹介しました。いずれも防府に来たら、ぜひ訪れていただきたいスポットです。
なお、防府市には今回ご紹介した場所以外にも、英雲荘や大平山山頂公園など、おすすめスポットがたくさんあります。
ぜひ、県外からも訪れてみてくださいね!
【クルマで行く場合】
広島方面からお越しの方は山陽自動車道・防府東ICでおり、そこから約10分で到着します。
福岡方面からお越しの方は山陽自動車道・防府西ICでおり、そこから約10分です。
■駐車場:500台(無料)
【電車で行く場合】
最寄り駅は山陽本線の防府駅で、そこから徒歩約15分です。
※この記事は更新日時点の情報です
※表示価格は更新日時点の税込価格です
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