
マヨラーでなくても行ってみたい!楽しいマヨネーズの世界
仙川(東京都)
2015/10/22 更新
※情報は更新日時点のものです。施設や店舗の営業状況が変更されている場合があります。最新の情報は各施設や各店舗の公式ホームページでご確認ください。
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最近、大好きな俳優さんが結婚しました。
いつかこんな日が来るとは思っていましたが、やっぱりショックです。
結婚は幸せなこと。祝福してあげたいと思いながら、なんとなくもやもやしています。
人生って、愛って、何でしょうね。
そんなことを会社でぼやいていたら、仙川に住んでいる先輩が「ここに行ってみなよ」と、あるスポットを教えてくれました。
「タイムズ仙川第4」にクルマを停めて、商店街を散策しながら進みます。
仙川駅前に近くにある、安藤忠雄ストリート
10分ほど歩いて到着したのが、「調布市武者小路実篤記念館」。
先輩のおすすめスポットはここですね!
入場料は大人200円、小・中学生100円
武者小路実篤(むしゃこうじさねあつ)。
日本の近代文学に大きな影響を与えた雑誌『白樺』を創刊した・・・と教科書に書いてあった気がします。
あとは、同じ一人の女性を愛した男性たちの関係を描いた『友情』、少女への純粋な片思いから破局を描いた『お目出たき人』などの小説を書いた作家さんですね。
さっそく入場してみます!
70歳から90歳で亡くなるまでの晩年を、仙川で過ごしたそうです。
へえ、今年は生誕130周年なんですね
小説だけでなく戯曲や詩、随筆まで書いていた実篤。40歳からは書画も描き始めたほか、美術品の収集にも力を入れていたようです。
約5週間ごとに展示が入れ替わります
こちらでは常設展はなく、常に新鮮なテーマ展が行われているのが魅力です。
開館30周年を迎えるそうですが、これまで一度として同じ展示を開催したことがないそう!実篤が多岐にわたる活動を行ってきたことが分かりますね。
「我人間を愛す 我等、皆 人間を愛す」
あっ、このカボチャの絵は見たことあります!
1985年に記念館が開館して間もなく、調布市が作った蓋。色つきは試作品
かつて仙川周辺で使われていたマンホールの蓋。実篤の絵と言葉が描かれています。
これは何でしょう・・・
穴の開いた硯のようです。
書画を描き続けてきた実篤は、亡くなる半年前に長く使ってきた硯に穴が開いてしまったそう。そこまで使い込んだとは、驚きですね。
無料でお茶もいただけますよ
休憩コーナーでちょっと一休みします。
一角には、カボチャやドングリなどと一緒に色鉛筆が・・・。
カボチャといっても、いろんな種類があるんですね
何やら、自由に絵を描いて良いコーナーのようです。
皆さん上手ですね!小さなお子さんの作品もありました
ここで描いた絵は、ボランティアさんが選んで展示しているんですって。
学校の図書館みたいな雰囲気で落ち着きます
資料閲覧室には、雑誌「白樺(復刻版)」など日本近代文学の関連書籍などが豊富にあり、ゆっくり楽しむことができます。
「白樺」をまとめて読めるなんて貴重!
主要な作品画像やビデオ映像を見ることができるコーナー
学芸員の石井さんによると、実篤はとても前向きな人柄だったとのこと。
幼少期の父親との死別、親友との出会い、戦争など、さまざまな経験を経て、人生の素晴らしさや人間愛を伝えるようになったのでしょう。
実篤の本を読み返したくなったので、売店で本を購入しました
実篤の人間味あふれる人柄にふれて、『人生を、愛を、もっと前向きに考えてみよう』なんて思いました。
ザクロの実がなっていました
記念館を後にして、隣接する実篤公園に足を運んでみます。
記念館の入口横から、実篤公園に続く道があります
実篤公園の敷地内には、晩年を過ごした邸宅も残っています。
こんな感じの地下道でつながっています。何となく探検気分
この地下道を抜けると・・・
けっこう、うっそうとしています
おお、別世界!武蔵野の豊かな自然が広がります。
タケノコの産地だったことがあるそうで、園内には見事な竹林も
子どもの頃から「水のあるところに住みたい」と考えていた実篤。学芸員の石井さんによると、その他にも住む場所を決めるにあたっての夢があったそう。
池の中央にあるのが「孫ヶ島」。実際にお孫さんと遊んでいたそうです
1つは、水のあるところ。
2つは、土器が見つかる場所。
最後は、つくしの生えている場所。
豊かな自然の中、古くから人々の営みが行われてきた場所に惹かれていたそう。
仙川の地は、それらの条件を満たしているところだったんですね。
旧実篤邸の内部公開日は、毎週土・日曜日、祝日の11~15時(雨天中止)。
友人や編集者など、来客がひっきりなしに訪れたそうです
仕事部屋をのぞいてみると、机に筆、硯、原稿用紙と、実篤愛用の品が所狭しとありました。
自伝小説「一人の男」もここで書かれたそう
応接間や客間も、基本的には当時のままの姿。目を閉じると、実篤の息遣いが伝わってくるような空間でした。
ちょっと話が変わりますが、皆さん「ヒカリモ」をご存じですか。
ヒカリモは自然の水たまりに生息している藻の一種。誰でも自由に出入りできる場所としては都内で唯一、実篤公園で生息が確認されているそうです。
生息期間は初夏から晩秋にかけて。さらに風や雨などの状況により見えなくなることもあるそうなので、訪れたタイミングで見ることが出来た方はラッキーです!
奥で黄金色に輝いているのがヒカリモ
※「藤屋」は、2017年5月に閉店しました
帰り道に仙川駅前の商店街・ハーモニータウンを歩いていると、実篤さんの描いたカボチャの絵が。
この絵の他に、店内には実篤による旧店名の書もあります
和菓子の藤屋さんです。
先代が実篤宅の書生と知り合いだったことから、実篤ゆかりの菓子を作ったそう。
生菓子から大福、団子まで、美味しそうな和菓子が並びます
実篤ゆかりの菓子は3種類。カボチャを混ぜた白あんを包んだ「南瓜菓子(前列右)」。たっぷりの小豆あんが入ったカボチャの形をした「カボチャ最中(左)」。パイ生地でカボチャあんを包んだ「かぼちゃパイ(右奥)」。各150円。
一つひとつ丁寧に作られた逸品。仙川土産にぴったりです
帰宅後、南瓜菓子をいただきながら、実篤の本を読んでみました。
カボチャの風味が口いっぱいに広がりました
気になった一節を紹介します。
「一から一ひけば零である。
人生から愛をひけば何が残る
土地から水分をとれば沙漠になるようなものだ」
(新潮文庫「人生論・愛について」より)
深いですね。人生について、愛について、もう少し考えてみたいと思います。
文学の秋。文豪の足跡をたどる仙川散策、おすすめです。
※この記事は2015/10/22時点の情報です
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