進化し続ける京橋で出会った、老舗の技・老舗の味
京橋(東京都)

2016/09/15 更新

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今と昔が生きる職人の街「京橋」

東海道の起点である日本橋に架かる「京へ上る最初の橋」であったことから、その名が付いたとされる京橋。江戸時代、その周辺には多くの職人が集まり賑わいを見せていたと言います。

現在では橋は取り壊され、親柱だけが残っています

再開発が進み、近代的なオフィスビルが建ち並んでいる京橋ですが、街を歩けば昔ながらのお店や画廊も多く見かけることができます。

2016年秋オープンの「京橋エドグラン」も建設中

そんな今と昔が生きる街・京橋で、長年愛され続ける老舗店の数々をご紹介していきます。

京橋散歩には「タイムズ明治京橋ビル」がおすすめです

今回ご紹介する老舗店

【1】江戸箒をつくり続ける老舗「白木屋傳兵衛」
【2】昔ながらの和菓子揃う老舗「桃六」
【3】昼と夜で異なる顔を持つ老舗「レストラン サカキ」

【1】江戸箒をつくり続ける老舗「白木屋傳兵衛」

まずご紹介するのが、都営浅草線・宝町駅のA3出口すぐのところにある「白木屋傳兵衛(しろきやでんべえ)」。

天保元年(1830年)に銀座で創業、その後京橋へ移り、今も当時と変わらぬ「江戸箒」をひとつひとつ職人さんの手作りでつくり続けているお店です。

ショールームを併設したお店

店内並んでいる箒はなんと40種類以上。素材や長さなどが異なっていて、用途にあわせて最適な箒を選ぶことができます。

いろいろな形・素材の箒が並んでいます

たとえばこちらは「お洋服払い用小箒」。外出前や帰宅時に洋服の汚れを掃うための箒です。

この小箒でも、やわらか(1,450円)、ふつう(1,300円)とつくり分けられています。さらに肩払いがしやすいよう、穂先に角度のついたものも。

1つの小箒でも幅広くつくられています

ご存知の方もいるかもしれませんが、箒はもともと祭礼道具。けがれを祓い清める力があり、五穀豊穣・無病息災を祈る祭具とされていました。妊婦さんのお腹を新しい箒でなでると安産になるという言い伝えもあります。

安産祈願用の小箒を発見

箒を眺めていると、束ねられている紐の色が違うことに気が付きます。これは草の質や量の違いを表していて、緑が「上」、赤が「特上」、紺が「極上」となっています。

それぞれ使い心地が異なるので、ぜひ実際にお店で手に取ってお試しください。

あなたに合う一本に出会えるはず

一見古めかしいイメージのある箒ですが、掃除機よりも「軽い」「小回りが利く」「静か」と、とっても機能的。そのうえ大事に扱えば10~20年は使えるほど長持ちなんだそうです。

柔らかさ・コシ・キメの細かさも自慢

現代の生活様式にも適った使い勝手の良い「江戸箒」。ご自宅用のほか、贈り物としても喜ばれそうな一品です。

【2】昔ながらの和菓子揃う老舗「桃六」

続いてのお店は「桃六」。国民栄誉賞を受賞した女優さんもご贔屓にしていたという、明治2年(1872年)創業の老舗和菓子店です。

東京メトロ銀座線・京橋駅6番出口から徒歩3分、都営浅草線・宝町駅A7出口から徒歩5分の場所にあります

店内には最中や大福など定番品から季節のものまで、さまざまな種類の和菓子がきれいに並べられています。

ショーケースのうしろには、歴史を感じる木彫りの看板が飾られています

桃六はもともとお団子屋さん。どこか懐かしさを感じる串団子も販売されています。甘みのない醤油を付けて香ばしく焼き上げられたお団子は、驚くほどやわらかくもちもちです。

朱色のお盆も雰囲気があります

お団子のほかにもおすすめの一品が「一声」という、どら焼き。一日に何百個も売れるという、お店一番の人気商品です。

お味はプレーン(180円)、栗が丸ごと入った栗どら(210円)、梅が粒で入った梅どら(190円)の三種類

プレーンのどら焼きをいただきました。手に取ったときにまず感じるのが、そのずっしりとした重量感。中にあんこがたっぷり詰まっていることを感じさせます。

濃いきつね色にしっかり焼き上げられた皮は、ふっくらとして厚みがあります。割ってみると、やはり粒あんがぎっしりと詰まっていました。

この厚みにも驚きます

あんこはしっかりとした甘さながら、くどくなく上品な味わい。そして程良く残された小豆の食感も楽しめます。ボリュームがあるのにさらりといただけてしまう、絶品どら焼きです。

運が良ければ、お店でこんな光景にも出会えます

まわりがオフィス街という土地柄、会社でのお手土産として購入される方も多いよう。なかには午前中で売り切れてしまう和菓子もあるので、お早目に行かれることをおすすめします。

人々を惹きつけてやまない、どこか懐かしさを感じる「桃六」の和菓子。ぜひ一度味わってみてください。

【3】昼と夜で異なる顔を持つ老舗「レストラン サカキ」

最後にご紹介するのが、ここまでの和の流れから一転、昭和29年(1954年)創業の老舗店「レストラン サカキ」。

「ランチは洋食」「ディナーはフランス料理」と、昼と夜と異なるスタイルで営むすこし珍しいレストランです。この日はランチタイムにお邪魔しました。

ヨーロッパの街中のレストランを彷彿させる素敵な店構え

壁にかけられた絵画やベルベット素材のイスが印象的な華やかで落ち着きのある店内は、全56席。毎日開店直後に満席になるほど、多くの人で賑わうのだそうです。

近くで働くビジネスマンの方から観光客まで

人気の秘密は、本格的な絶品ランチをリーズナブルなお値段でいただけるというところ。

売り切れになったメニューには赤線が。この日も売り切れが出ていました

なかでも私のおすすめが「エビフライ サラダ・ライス付」(1,300円)。私の親指の太さほどあるエビフライが3本も付いている贅沢なメニューです。

うずたかく盛られたキャベツ、そびえ立つ大きなエビフライは迫力があります

粗めに挽かれたパン粉がサクサクと香ばしい衣の中からは、弾力のある肉厚のエビ。噛むほどにプリッと弾き返すようなエビの食感を楽しむことができます。

刻んだパセリの風味香る酸味控えめのタルタルソースを付けていただけば、よりいっそうエビの旨みを引き立ててくれます。

エビフライを食べ進めていると、いつもは殻が残っていることが多い最後の3節のところでも身を感じることができます。尻尾ギリギリまで食べられるよう、殻がむかれているのです。この細やかな気配りに心があたたかくなります。

ソースを付けずいただいてもエビの甘みを感じます

トマトのほのかな酸味感じるコンソメスープは、セロリ・ベーコン・ニンジン・ゴボウなど具だくさん。旨みが凝縮した深い味わいと、程良い酸味・塩加減にホッと安らぎます。

コーン・ハム・キュウリなどの食感も楽しい濃厚なポテトサラダ、程良い硬さに炊き上げられたライス、玉ねぎをすりおろしてつくられた自家製ドレッシング。

主役を引き立てる品々はどれを取ってもおいしく、夢中で食べてしまいます。完食後には幸せな気持ちに満たされるようなセットです。

ひとつひとつにこだわりを感じます

近所で働くビジネスマンから観光客まで、多くの人のお腹と心を満たし続けてきた「レストラン サカキ」。60年以上続く名店の味を味わってみてはいかがでしょうか。ディナーはまた違った雰囲気と味を楽しめますよ。

さいごに

京橋で長年愛され続ける老舗店をご紹介しました。

京橋は都心にありながら、地域の結びつきが強く、古くからの文化を大切にする流れが根付いています。そんな人々の心は、たとえ街並みが変わってしまったとしても変わらず在り続けていくことでしょう。

今と昔が生きる街「京橋」で、変わらない風景・変わらない味をお楽しみください。

当時の面影を残す遺構の数々

※この記事は2016/09/15時点のものです

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