「ピクサー展」「キセイノセイキ」で現代アートに親しむ!
清澄白河(東京都)

2016/03/31 更新

※情報は更新日時点のものです。施設や店舗の営業状況が変更されている場合があります。最新の情報は各施設や各店舗の公式ホームページでご確認ください。

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東京都現代美術館で「ピクサー展」が開催中

以前、東京都現代美術館の魅力をご紹介しましたが、こちらでは現在、「スタジオ設立30周年記念 ピクサー展」が開催されていて、大盛況なんです。

平日の朝でも40人くらいが並んでいました

今回は、そんな「ピクサー展」の様子と、東京都現代美術館で同時に開催されている「キセイノセイキ」と「コレクション・ゴーイング」の様子を合わせてお届けしたいと思います!

大ボリュームの「ピクサー展」!

ピクサー展では、"ピクサー・アニメーション・スタジオ"の30年が凝縮されたアートワークが展示されています。普段、私たちの目には届かない、制作過程の貴重なものを見ることができます。

入るとまず、ピクサー・アニメーション・スタジオの年表や、ジョン・ラセター監督の最初期の短編映画などが展示されています。

ピクサーの歴史が詳しく書かれた年表

立ち止まり、じっくり読まれている方が多く、ここが一番混んでいたような気がします。今回の展示は、約500点ほどのボリューム!お時間があまりない方は、サッと見て次の部屋に移動しても良いかもしれません。

壁にはピクサーの人気キャラクターが大集合

次の部屋には、「トイ・ストーリー」で制作されたドローイングや彫刻などを"ストーリー""キャラクター""世界観"に沿って振り返る展示があります。

ウッディとバズの彫刻も。顔つきも体形も今と違います!

マーカー・鉛筆で紙に描かれたもの
ボブ・ポーリー《ウッディとバズ》

あの名シーンのデジタルペインティングも…!
ロバート・コンドウ(レイアウト:ジェイソン・カッツ、ジョン・サンフォード)《ビートボード:さよなら、アンディ》

ピクサーではストーリー作りに徹底的にこだわっており、何度も脚本を手直しするそう。そんな制作段階のストーリーボードも見ることができます。

クマのぬいぐるみ"ロッツォ"がみんなを歓迎するシーン

さらに、色彩やライティング、空気感を表現したカラースクリプトも展示されています。

鮮やかでキレイな色彩です

「トイ・ストーリー」好きの私にはたまらない、見入ってしまう展示ばかりでした!

お隣の部屋には、「トイ・ストーリー」の3Dフィギュアがあり、立体アニメーションのように動きます。

色々なキャラクターがいます
《トイ・ストーリー ゾートロープ》

ぐるぐる回ると動いているように見えるから不思議ですね。それぞれのキャラクターが違う動きをしているので、何度も見てしまいました。私はリトルグリーンメンの動きがお気に入りです!

次の部屋では、映画の制作プロセスを資料映像とともに詳しく見ることができます。

制作者の貴重なインタビューも

「モンスターズ・インク」に登場する"サリー"の制作秘話も聞けます。あのような色だったとは…!ぜひ、実際に訪れて見てみてください。

1階の最後の部屋ではショートフィルムが紹介されています。

私の好きな「ブルー・アンブレラ」のドローイングもありました

併設のシアターで何本か上映されており、実際の映像を見ることもできます。時期によって上映作品が違うので、何度来ても楽しめますね!※上映作品のスケジュールは東京都現代美術館のHPやシアター入口に掲示してあります

ほかにも、色々と興味がそそられる展示がありました。

サリーとマイク。どこか哀愁が漂うシーン
堤大介《モーメントペインティング:退学》

ニモもありました。可愛いですね!
ラルフ・エッグルストン《遠足のシーンのパステル画》

新作の「アーロと少年」の展示も
ピーター・ソーン《スポットとアーロ》

ご紹介したのは「ピクサー展」のほんの一部です。「カーズ」や「カールじいさんの空飛ぶ家」、「インサイド・ヘッド」などの展示もあるので、足を運んでみてください!(ゆっくりご覧になりたい方は、比較的人の少ない朝一をおすすめします)

会場限定のオリジナルグッズもお見逃しなく!

ポスターも販売しています

展覧会公式カタログ(1800円)

クリアファイルやポストカード、ピンバッヂが人気だそうです。私もお土産に「トイ・ストーリー」のポストカードを購入しました。フレームに入れて飾りたいと思います…!

エントランスホールにあるサリーとマイク。こちらは写真撮影OKです
©Disney/Pixar

「スタジオ設立30周年記念 ピクサー展」
3月5日(土)~5月29日(日)
観覧料:一般1500円

複数の解釈が交錯する「MOTアニュアル2016 キセイノセイキ」

地下2Fでは、「MOTアニュアル2016 キセイノセイキ」という展示が行われています。気鋭のアーティストが国内外から参加している、グループ展です。

入ると、"齋藤はぢめ"さんの作品が目に飛び込んできます。

齋藤はぢめ《CLEAR》ビルボード/デジタルプリント2012-2016年

こちらの写真はかなりの大きさで、迫力がありました。

ほかには"ダン・ペルジョヴスキ"さんの壁一面に描かれたアートや…

意味深な絵の数々
ダン・ペルジョヴスキ《美術館様》2016年

"高田冬彦"さんのドキッとするようなパフォーマンスの映像が流れていたり…

ご自宅で撮影されたそうです
高田冬彦《Many Classic Moments》映像/ブルーレイ 2011年

"橋本聡さん"の様々な行為を促す展示があったりと、どの作品も興味深かったです。

マイクに喋ると、8秒語にその声がスピーカーから流れます
橋本聡《8分後に発せられる声》2016年

このような指示があったり…(やっている方は見かけませんでしたが)
橋本聡《テープで口を塞いでください》2012年

"誰かに電話してください"などの指示が書かれていました
橋本聡《誰かに電話してください》2016年

「キセイノセイキ」は現代社会や現代アートの表現に斬り込んだ作品がメインで、全体的には大人向け。小学生以下のお子さまがご観覧いただけないエリアもございます。※一部、暴力的な表現や性的な表現がある作品もあります

このような貼り紙がある展示も
横田徹(映像編集:住倉博之)《WAR(不完全版)》2016年 展示室入口における掲示

どれも見ている人に問いを投げかけてくるような、そんな作品が多かったです。戦争を扱ったヘビーなものまであり、表現のあり方など色々と考えさせられる内容でした。

ちなみに、「キセイノセイキ」というタイトルは多様な読みとりが可能なようにカタカナでつけられたそうです。私は“規制”という言葉が浮かびましたが…みなさんはいかがでしょうか?ぜひ、観に行って考えてみてください。

「MOTアニュアル2016 キセイノセイキ」
3月5日(土)~5月29日(日)
観覧料:一般1000円 大学生・専門学校生・65歳以上800円 中高生500円 小学生以下無料

ポップアートと紙作品に焦点をあてたMOTコレクション「コレクション・オンゴーイング」

常設展示室ではMOTコレクション「コレクション・オンゴーイング」が開催されています。こちらは、「ピクサー展」か「キセイノセイキ」のチケットがあれば無料で入場可能です。

コレクション展では東京都現代美術館が収蔵している、様々なアーティストの作品を見ることができます。

レコードが存在せず、プレーヤーそのものが音を発する作品の空間
大友良英+青山泰知+伊藤隆之《Without Records-mot ver.2015》2005/2015年

白い椅子。こちらはなんと紙でできています
吉岡徳仁《Honey-pop》2001年

実物はとても大きいです。色づかいが美しいです
辰野登恵子《ばら色の前方 後方》2011年 撮影:岡野圭 ©辰野仁造

安全ピンです。身近なものを使用したアートもありました
豊嶋康子《安全ピン》1996年(部分)

分度器と定規。歪んでいます…!
豊嶋康子《定規》1996-1999/2015年

アンディ・ウォーホルの有名な作品もあるので、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。「ピクサー展」と「キセイノセイキ」のチケットがなくても、500円(一般料金)で観覧することができます。

なお、こちらの会期終了後は大規模改修工事による休館になってしまうので、この機会にぜひ…!

MOTコレクション「コレクション・オンゴーイング」
3月5日(土)~5月29日(日)
観覧料:一般500円 大学生・専門学校生400円 65歳以上・高校生250円 中学生・小学生・未就学児無料

アーティストたちの個性が光っていました

現在開催中の3つの展示をご紹介しましたが、いかがでしたか?「ピクサー展」と「キセイノセイキ」は趣向もコンセプトもまったく異なるので、両方ご覧になりたい方はそれぞれ別日で行かれることをおすすめします!

※この記事は2016/03/31時点のものです

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