クルマで遠足

クルマに乗って、出かける気軽な旅の記録。

Vol.047

タイムズから行く、原宿散策

タイムズから行く、原宿散策

何年前かな、原宿によく行ってたのは。ホコ天ではバンドがライブをやっていたり、代々木公園の入口あたりで大音量のラジカセに合わせてロカビリーのお兄さんが踊ってたりしたな。ファッションは古着が流行ってたかな。 古着屋のシカゴに行って、あまりにリアルに出所が分かるTシャツ(アメリカの高校生の体操服みたいなやつ)やジーンズを買って喜んでたな。あと、色んなタレントショップが竹下通りに軒を並べて、あの同潤会アパートも現役だったな。あれから15年くらいかな。

そんなことを思いながら、原宿に向かいました。クルマをとめたタイムズは神宮前4丁目第6です。駐車後12時間最大料金が1,200円(2010年4月現在)とお手頃料金。今日は1日たっぷり原宿散歩をするつもりです。

クルマをとめた神宮前4丁目のあたりは、表参道ヒルズの裏手あたり。いわゆるウラ原のすぐ近くです。でも、街の雰囲気は大人っぽくてカフェや小さなオフィス(おそらくファッション関係やデザイン関係)が立ち並んでいます。通りを歩く人も若者ではなく、オシャレな感じの大人が中心です。へ~、神宮前と言っても、随分違うんですね。でも、ここから有名なケヤキ並木の通りまでは、わずか徒歩3分ほど。裏道を歩くとあっという間なんです。
ケヤキ並木は平日にも関わらず、すごい人。昔は平日なんて閑散としていたのに。さらに驚きなのは、聞こえてくる韓国語や中国語の多さ。洋服の雰囲気も日本の若者と一緒なので、まったく見分けがつきません。ついでに言うと、昼ご飯を食べたラーメン屋さんでは、右となりの女の子がハングルのメニューを、左隣の女の子は中国語のメニューを見て、店員さんも「アニョハシムイカ」「ニーハオ」と挨拶してました。知らぬ間に、原宿はずい分と国際化していたんですね。

神宮前の交差点まで歩くと、有名なラフォーレ原宿があります。昔と変わらない感じですが、中に入ると前ほどの元気が無いような…。その代わりに明治通りのお店で賑わっているのがファストファッションの黒船ともいえるスウェーデンの「H&M」、アメリカの「FOREVER 21」です。お店のロゴが入った袋を持った人と随分すれ違います。特にFOREVER 21は、中に入ってみるとかなりの混雑ぶり。ぱっと見、ほとんどの洋服が5,000円以下。セールでもないのに、この価格は確かに惹かれます。これなら思い切りショッピングを楽しめそう。私もちょっと買っておきました。

今度は竹下通りです。ここは昔と変わらずの凄い混雑ぶりです。とはいってもお店は、相当に変わっていました。ここら辺の店で洋服買ったなと思うと、ぜんぜん違う店になっていたり、さらに100円ショップまで進出しているなど驚きの連続です。昔のままなのは通りの入口にあるタレントの生写真屋さんくらいかも。ここも外国の観光客の方がたくさん。竹下通りの入口では、みなさん揃って記念写真を撮っていたのがちょっとほほえましかったです。

お次は明治神宮です。鳥居をくぐると、今までとはまったく違う空間が広がり、神秘的な空気が流れています。木々に包まれた神聖な参道は落ち葉がほとんどないほど、美しく掃き清められています。足下の砂利が音を立てると小さな砂埃がたち、ブーツの先が少しずつ白くなっていきます。明治神宮の木々は、大正4年の造営時に全国から献木されたもの。もちろんすでに大きく育っていた木々も多かったのでしょうが、これほどまでに素晴らしい森に育っているのだから驚きです。
また今新たに明治神宮で注目を浴びているのが、御苑内にある清正井という井戸。「この井戸の写真を携帯の待ち受け画面にすると願いが叶う」という話が広まり、連日長蛇の列ができているとのこと。私もそれならと思い初穂料として500円を払って清正井の近くまで行ったものの「整理券がないとだめですよ~」と警備の方に言われ、断念しました。どうやら最低でも午前中には、来なければ拝めないようでした。でも御苑の中は、大きな池やさらに鬱蒼とした森、春には立派な菖蒲も楽しめる隠れたスポット。オススメですよ。続いて本殿で参拝です。もう日が傾きかけているのに、参拝の方が多く見られます。私も清正井で願掛けができなかった分も含めて、お参りをさせてもらいました。

明治神宮が神秘の森なら、こちらは西洋の森。それが代々木公園です。東京ドーム約11個分という広大な敷地には、木々が植えられ、芝生の広場があり、噴水と池があるくらいで、これといって何かすごいものはありません。

だけど、それがこの代々木公園の良いところ。ベンチに座っておしゃべりを楽しむのも良し、売店でボールを買ってきてキャッチボールをするのも良し、ただ寝転がるのも良しと、気ままに公園でのひと時を楽しめます。私もグルリと公園を巡り、その途中で早咲きの桜を見つけました。まだちょっと、寒い日も続いていますがもう春はそこまで来ているのですね。都会の真ん中で小さな春を見つける。ちょっと贅沢な瞬間でした。

クルマをとめていたタイムズ神宮前4丁目第6のあたりをもうひと歩きすると、ちょっと変わった感じの建物を見つけました。ワタリウム美術館。「ジョン・ルーリー」展とあります。あ~、懐かしい名前です。ミュージシャンで俳優。84年の「ストレンジャー・ザン・パラダイス」に出演し、音楽では先鋭的なジャズバンド「ラウンジ・リザーズ」でサックスを吹いていた人です。正直、私の記憶の奥底に眠ったままの人でした。その人の名前を唐突に見つけました。最近聞かないと思ったら、絵描いていたんだ…。

歩いてどこかに向かおうとしている鳥の群れ。平和な感じです。でも絵の下にあるタイトルを見ると「魂をもたない鳥もいる、だって邪魔になるからね」。吹き出しそうです。白い鳥と黒い鳥が、物憂げな感じで向き合っています。「誰もがバーナードの好色な性格にうんざり。だから鳥を飼ったが、その鳥にもうんざりされてしまった」。この2羽の鳥は、そういうことだったのか…。と妙に納得してしまいます。

額に入っていないキャンバスのまま展示されている絵がほとんどで、そこが変に生々しく、さらに作品の数がとても多く、ジョン・ルーリーのつぶやきを耳にするような感じです。ラウンジ・リザーズの音楽がよく分からなかった私も、彼の新たな一面に心動かされました。

外に出ると、もう真っ暗。とはいっても、12時間1,200円のタイムズ神宮前4丁目第6。まだ遊ぶ時間は残っています。夜の原宿もちょっと楽しんでみます。


ジョン・ルーリー展:ドローイング You Are Here


会期:2010年1月30日(土) ~ 5月16日(日)
会場:ワタリウム美術館
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-7-6
TEL:03-3402-3001
休館日:月曜日 ( 3月22日 5月3日は開館)
開館時間:11時より19時まで (毎週水曜日は21時まで延長)
入館料:大人 1000円 / 学生(25歳以下) 800円
※ 会期中何度でも入場できるパスポート制チケット

※この記事は2010年3月09日現在の情報です

  • 特典いっぱいのタイムズクラブは
    入会金・年会費無料!
    入会はこちらから!
    会員登録(無料)