クルマで遠足

クルマに乗って、出かける気軽な旅の記録。

Vol.002

トヨタ イストで行く、小さなブラジル

今さら外国人が珍しいと思うこともなくなったが、子供の時は田舎に住んでいたせいもあって、滅多に見ることがなかった。すれ違うだけでも、ドキドキしたものだ。ところが、時代は変わるもの。今では、なぜか群馬県にブラジル人街があるのだから。ブラジルといえば、サッカー、サンバ、スタイル抜群のお姉さん。今回は夏の終わりの思い出作りに、ちょっとラテンが薫る真っ赤なイストで群馬県・大泉町へ向かった。

走り慣れた東北自動車道が、ブラジルへ続く道だとはどうにも思えない。館林ICを降りて国道354号線を走ると、なおさらその思いが強くなる。大型店が立ち並ぶ一般的なロードサイドの風景が続いている。ところがカーナビによると、取りあえずの目的地としておいたブラジル人街の中心地、西小泉駅はすぐそこだ。

いきなりサンバのリズムでお出迎え、という訳にはいかなかった。駅前は、あっ気に取られるほど閑散としている。ブラジル人街イコール観光地ではないようだ。しかし、よく見るとブラジル人街の小さな証を見つけることができる。駅構内には手書きのポルトガル語表記の料金表が。さらに市街図は、日本語の次にポルトガル語、そして英語表記になっている。

ちょっとあっ気に取られながらも、まずは付近をカメラ片手に歩いてみた。すると、見つけました。駅からすぐのところに。その名も「ブラジリアンプラザ」。入り口には、何を待っているのか分からないブラジル人らしき男性が、ボンヤリとタバコをふかしている。うーん、怪しげだ。

店に入るとちょっとイントネーションの違う「イラッシャイマセ」の声で迎えられた。ほぼ、みなさん外国人のよう。日本語で挨拶されるのが、こそばゆい。本来この店は、ソニーの販売店だったようで、パソコンやらテレビがズラッと並んでいる。そして、なぜかその奥には、日本人形やキティちゃんの小物、そして思い切り「JAPAN」、「TOKYO」のロゴが入ったキーホルダーがズラリと並んでいる。母国に帰る時の日本土産なのだろうが、かなりの品揃え。まるで問屋さんみたいだ。

2階に上がると、かなりブラジル色が強くなる。まず目に付いたのは、食料品店。全然見たことがないものばかりが並んでいる。ココナッツのビスケット、見るからに凄い甘そうなチョコレート、どう考えても日本の漫画からパクったとしか思えないキャラクター付きのスナック菓子。食料品以外では、本、ビデオなど。どれもかなりのインパクトだ。他にも2階には、女性向けの洋服店(かなり派手)やファーストフード店などなど、いながらにして異国情緒を楽しめる。さらに店員さんもこの人なら、日本語大丈夫そうだなと思って話しかけると、日系の方だったりして、気持ちよく意表を突かれる。しかし、それが良いと思う。だって、ここはブラジリアンプラザ。ブラジル人のためのお店なのだから。もしも、店員さんが日本人だったら、ただのセレクトショップになってしまいそうだ。

街中にある大泉町多文化共生コミュニティセンターによると、現在(2007年7月)の大泉町の人口は約42,000人。外国人は約6,700人(ブラジル人はその中の約4,800人。次いで多いのはペルー人843人)とのこと。約16%が外国人ということになる。その多くは、付近にある富士重工や三洋電機の関連企業で働いているとのこと。大泉町としても、異文化の交流・共生に力を入れているようだ。
ふむふむ、街を歩くとそれも頷ける。学校帰りの日本人の高校生、公園で遊ぶブラジル人の子供、買物をする主婦。みな、とても生き生きとしている。いわゆるよそ者を、違和感なく受け入れてくれる土壌が、この大泉町にはあり、それをしっかりと育んでいたのだろう。

何となく、名残惜しくもう少し街を散歩してみた。駅前の八百屋では、バナナ、白菜、レタスの札がポルトガル語で書いてある。お店のような教会はパイプ椅子が並び、ちょっと不思議だ。それと、なぜかタトゥー(入墨)屋が目に付く。これも文化の違いか。また違うブロックを歩くと、大型スーパーを見つけた。こちらは、先のブラジリアンプラザに比べるとまた違う雰囲気。食料品がメインで、品揃えも豊富。パックからはみ出しそうなほど巨大な牛肉を大量に売っている。ちなみに値段は、7~800円ほどとリーズナブル。かなり魅力的で、今夜はステーキにしてやろうかと思ったほどだ。

店を出ると、道路上にブラジルの国旗がはためていた。その向こうを、楽しそうにブラジル人の親子が歩いている。クルクルの巻髪の男の子に、きれいなお母さん。二人ともすれ違い様に、ニコッと微笑んでくれた。心が和む。よそ者の僕のことが認められたのかなと、思った。


今回のドライブコース=群馬・大泉町へ=


首都高→東北自動車道館林IC
◆片道料金2,200円
◆所要時間1.0時間

オオキの「これだけは言わせて!」 

トヨタ イスト 180G

ボディカラー:レッドメタリックマイカ
車両本体価格1,890,000円

オダギリジョーが出演し、音楽はキング・クリムゾン。CM的にもかなりド派手なデビューを果たした新型のイスト。40万台以上を売った、前モデルのイメージを完全に打ち壊してのフルモデルチェンジだ。新型イストは全幅が1725mmと3ナンバー化し、エンジンも1.3Lの代わりに1.8Lを追加し、1.5Lと1.8Lのラインナップになった。

デザイン面もかなり、変更されている。人懐っこい感じがした前モデルよりも、より精悍なフロントマスクを与えられ、より男性的になった。
インテリアの印象も強烈だ。まず最初に目に入るのは、スピードメーターとタコメーターが同心円にデザインされたメーター。そしてエアコンの操作スイッチも、3つの円が連なるように配置されている凝ったデザインだ。ドライバーズシートに腰掛けた瞬間、心が刺激される空間になっている。

走りも、このサイズで1.8Lエンジンを搭載しているのだから、大満足といえる。キビキビと街中を走りぬけ、高速でもいい気分でクルージングできる。かといって、無理にスポーティーな走りにふっている訳ではないので、女性でも安心して乗りこなせるだろう。

 

取材協力:トヨタ自動車 広報部
 http://www.toyota.co.jp/

※この記事は2007年9月11日現在の情報です

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