教えて!クルマ&ドライブ

2014.6.27

シートベルトの正しい装着方法

教えて!クルマ&ドライブ vol.3

シートベルトを着用するかしないかは、究極の選択をドライバーにさせる。
普段はこのさしたる厚みも持っていないベルトが、運転中に究極の選択をさせる装備だとは思いにくい。
おまけにブレーキをかけたときの、シートベルトに掛かる加重は、時に不快である。
ピンなどを付けてテンションがかからないようにしているドライバーをまだ見かける。
しかし、シートベルとは一度必要な場面に遭遇するとそのありがたみを痛感する装備である。
究極の選択とは、生きていられるか死んでしまうかという選択だ。
怪我をしないか怪我をするかという生やさしい選択ではない。

時速100km/hで走っているとき、ドライバーも同じ速度で車と移動している。
追突という事故はクルマのスピードを瞬間的に0にしてしまう。
そのとき車内の人間には、その人間の体重を100 km/hで動かす力が掛かっている。
その力が0になった瞬間、人間はその力で前方へ飛び出す。
ブレーキを踏んだときにシートベルトに掛かる不快な力がそれである。
シートベルトは乗員が衝突時に前方に飛び出して、ハンドルやフロントウィンドーにぶつかるのを防いでいる。
また、横転やスピン等で体重が腕にかかってくるのを和らげ、咄嗟のハンドル操作を可能にする。
そしてドアが開き乗員が外に放り出されるのにも大いに役立つ。
近頃の車にはエアバックという風船爆弾も付いていて、ドライバーの死亡率の低下に一役買っているが、
シートベルトを着用してなければ効果はほとんど無い。

有効にシートベルトを使うためには正しいシートポジションをとり、
シートベルトを正しい位置に装着して正しい姿勢で運転するということも大切だ。
ちょっと堅苦しいと思うかもしれない。
しかし、これは長距離ドライブで疲れない方法でもあるから実行して欲しい。
正しい運転姿勢とはまず正しいシートポジション。
ハンドルの頂点を手で持ったときに腕がやや曲がっているぐらいで、
ブレーキペダルを思い切り踏み込んだときに足が伸びきらず、
思い切りブレーキを踏んだときにまだ足が踏ん張る余裕があるくらいがちょうど良い。
そしてシートベルトを着用したときは、
ベルトのテンションが下腹部と骨盤、胸部から鎖骨にかけて均等にかかっている状態がベストである。
均等にテンションがかかっていれば、事故のときにシートベルトで鎖骨を折ったり内臓を圧迫させることも減らせる。

何故正しいシートポジションが良いか!
それは強烈な衝撃で追突したとき、体は全身で前方のフロントガラスに向かって飛び出す。
そうすると、低速でも致命傷の事故になるケースが多い。
さてどんな事故になるかというと、
ハンドルによる顔面骨折・あばら骨骨折により内臓損傷、フロントガラスによって頭蓋骨骨折・脊椎骨折。
足などもインパネ下に強打することにより両足骨折や全身打撲・脊椎損傷等。
勿論シートベルトを着用していても、ドアやセンターコンソール・ひじ置きに寄りかかって、
正しい運転姿勢をしていないと同じことになる。

営業車にしばしば見られるユルユルにしたシートベルトの使用は、
取締りを騙すだけでまったく何の意味も無い。
思いやりを持って同乗者へシートベルトの着用を勧めたい。

※本記事は2007年12月18日作成の原稿を元に再編集いたしました

※この記事は2014年6月27日現在の情報です

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