クルマで遠足

クルマに乗って、出かける気軽な旅の記録。

Vol.062

春の秋田、ぶらり旅

春の秋田、ぶらり旅

田植え前の田んぼを見て、秋田にいることを実感します

もうすぐ田植えが始まるんだ。マツダレンタカーから借りたデミオの車窓から見える景色です。
田んぼには水が引かれ、空の青さが水面に映し出されています。さすが米どころの秋田。どこかで聞いた「秋田には、空気のように田んぼがある」の言葉通りです。そして少し視線を上げれば、新緑に彩られた山々。秋田空港から角館(かくのだて)までのわずか1時間ほどの間に、幾度となく心奪われる風景に出合いました。

武家屋敷と枝垂れ桜の街、角館

角館は秋田県の南東にある、どちらかと言えば小さな町。ただ、この町を有名にしているのが、昔ながらの武家屋敷が残る町並みと枝垂れ桜。みちのくの京都と呼ばれ、春になるとニュースなどで頻繁に紹介されるので、ご存知の方も多いはず。
私が訪れたのは、5月の中旬。すでに枝垂れ桜のほとんどは、花を散らし新緑をたたえるようになっていましたが、新緑好きの私にとっては、それはそれで趣深く期待も膨らんでいきます。

本当にこちらで良いのかなと、思うのもつかの間、急に大きな通り(表町下丁)に突き当たりました。道幅は、10メートルはあるでしょうか。黒板の塀が道の両側を固めています。そして塀を覆い隠すかのような枝垂れ桜の枝葉。黒と新緑のコントラストが目に痛いほどです。母屋を隠すほどの庭の木々は驚くほど背が高く、東京の街角などでは、とてもお目にかかれないもの。こう思うと、何とも贅沢です。現代でもこれほど立派な住宅街は、そうは見当たらないはずです。

石黒家を見学します

私は、その中でもひと際目立つ、石黒家の門をくぐりました。武家屋敷というイメージから、お城と雰囲気が似ているのかと思っていたら、そうではありません。屋根はかやぶきで意外と質素です。中に入ると、ガイドの女性が丁寧に説明をしてくれます。
この石黒家は元々、藩の勘定方という要職についていた家で、現在もこの家には石黒家12代当主が住んでいらっしゃるとのこと。中はかなり広い贅沢な作り。玄関に至っては当主用、当主以外の家族・使用人用、そして当主よりも格の高い方が使う3つも用意されています。そして囲炉裏の上には、その熱で食べ物を干す時に用いる移動式の物干し竿が天井にかかっていたりと、当時の暮らしを直に感じることができました。
この石黒家以外にも武家屋敷通には、公開されているお屋敷がいくつかあり、それぞれに造りも広さも違い、興味深いものばかり。ただ残念なことに、空き地になっている敷地が目立つのは、時代の流れなのかもしれません。

秋田の大自然を満喫!八幡平国立公園

翌日は、うって変わって秋田の自然を巡る旅です。朝7時過ぎには、角館近くの宿を出て八幡平(はちまんたい)へと向かいました。八幡平は秋田県の北東、岩手県と秋田県にまたがる山岳地帯の国立公園です。
すれ違うクルマもほとんどなく、ひたすら山あいの国道341号線を走り続けます。途中、玉川ダムという巨大ダムが姿を現しました。ダム湖というと、ちょっと興味をそがれそうになりますが、この玉川ダムはかなりキレイ。落ち着いた水面はエメラルド色、そしてそこから突き出すように生える巨木。聞こえるのは、鳥の鳴き声と風の音だけ。美しさを求めるために造られた空間ではないのに、あまりに美しい風景が広がっていました。

春なのにこの残雪!雪の回廊にびっくり!

さらに進むと、残雪が目立つようになります。ただ、木々の根の部分はどこも雪がぽっかりと溶けているのが、何とも不思議です。植物の持つぬくもりが、春の訪れとともに雪を溶かしているのでしょうか。それとも何か他の要因があるのでしょうか。
そんなことを考えていると八幡平、最初のスポットである大沼が見えてきました。まだ雪が残る木道を歩くと、有名な高山植物のミズバショウが咲いているのに気付きました。あの、白い縦長の不思議な花です。沼の中を覗くと、小さな魚が群れをなして泳いでいます。改めて豊かな自然が広がっていることを実感します。

大沼からさらに、30分ほど走ると八幡平の頂上にたどり着きました。ここは、あの有名な「雪の回廊」がそびえ立つエリアです。道の両脇に残る雪の壁は優に5メートルはあるでしょう。こんな大量の雪を見るのは生まれて初めて。
暖かさにつられて、崩れ出さないか心配になるほどです。さらに、山頂から見る景色も最高です。山肌に残る雪と、かろうじて見える山の緑が美しく重なり合い、快晴の空によく映えます。私は雄大な景色を、しっかりと胸に刻み込みました。

八幡平を後にしたのはお昼過ぎ。慌てたわけではないのに、帰りの飛行機にはまだ余裕があります。秋田駅前の駅ビル、秋田アルヴェ(駐車場はタイムズです)で、稲庭うどんを食べました。光り輝く稲庭うどんは、のどごしもやわらかく、なんとも上品。こちらも秋田の自然とともに、旅の素敵な思い出になりました。



マツダレンタカー秋田空港店

タイムズステーション秋田・アルヴェ


※この記事は2011年6月08日現在の情報です

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