クルマで遠足

クルマに乗って、出かける気軽な旅の記録。

Vol.058

マツダレンタカーで行く、尾道、呉、瀬戸内の島

マツダレンタカーで行く、尾道、呉、瀬戸内の島

初めてなのに懐かしい街、尾道

真っ青な空の中を飛んできた飛行機は、雪のような朝霜(あさじも)が残った広島空港に着陸しました。マツダレンタカー広島空港店で借りたデミオは、マフラーから冬らしい真っ白な煙を噴き上げ、山の中の高速道路へ。私はステアリングを握り、冬の透き通った空気の中、尾道へと向かいます。
尾道に関する知識は、ほとんど何もありませんでしたが、ひそかに憧れていました。
細い坂道に、昔からの家並み、そして海。温かみを持った街だと、想像していました。だから、少し前なら大林宣彦監督の映画の舞台に。そして最近ではNHKの朝ドラ「てっぱん」の舞台にもなったんだと。

カメラを首にかけ、尾道駅前でもらった散策マップを片手に、坂を上っていきます。古寺めぐりの道しるべにそって歩けば、迷うことはなさそうです。ときおり聞こえる小学校の歓声以外は、静かなもの。極端に古い家が残っている訳ではないものの一軒、一軒が壁を寄せ合い、わずかな空いた空間が道になっています。
どこかで迷ったら、ちょっと厄介かなと懸念しつつも、道しるべの通りに歩くと持光寺へでました。なぜか不思議、石で出来た大きく頑丈そうな山門。それとは対照的に本堂の前で見つけたのは、粘土を握って形作られた小さく可愛らしい「にぎり仏」。私は、今回の旅の安全をお祈りしました。

そして光明寺、宝土寺とたずねた後、墓地の塀の上にいる野良犬を見つけて関心しました。犬は高いところが苦手なはずなのに…。それに気を取られたのか、少し道を間違えましたが、石畳の美しい階段の途中に志賀直哉の旧宅がありました。
志賀直哉が、ここに暮らしていたのは1912年のこと。三軒の小さな長屋の一番奥。わずか二部屋しかない小じんまりとした空間です。開け放たれた障子の向こうに見える景色は、美しいものです。尾道水道をはさんで向島の山の緑と、造船所が良く見えます。きっと基本的な要素は当時と何も変わっていないはず。いい景色です。外に出ると、さっきはいなかった猫が縁側で、体をなめています。私がシャッターを何回切っても動じず、さも自分がこの長屋の主であるかのようなふてぶてしさ。私も隣にお邪魔して、日向ぼっこを楽しませてもらいました。

坂をさらに上ると、奇岩の中にそびえ立つ千光寺があります。今まで観光客とはほとんど出会わなかったのに、ここには大勢。不思議に思うと、どうやらドラマの撮影準備をしている模様。観光客に見えたのは、エキストラの方々のようでした。
お昼には、坂を下りてタイムズ尾道郵便局にデミオをとめてから、尾道ラーメンを食べました。そして、尾道水道(川のように見えますが海)の渡し船の行き来を眺めて、半日の尾道観光を終えました。

明治時代から栄える造船の街、呉

瀬戸内海沿いを走る国道185号線を走って2時間ほど。青い空と海、時折見える島影をながめながら、ゆとりのあるドライブを楽しんでいると、呉の街に入りました。
呉は、ご存知の方も多いかと思いますが、かつて東洋一の軍港として栄え、有名な戦艦大和もここ呉で建造されています。そして今も、多くの造船所が稼働している街です。
ここで私が訪ねたのは「大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)」。平成17年の開館以来、500万人以上の来館者が訪れている話題の博物館です。モダンな建物に入ってまず驚かされるのが戦艦大和の模型です。10分の1とはいえ、全長は26.3mもあります。細部まで丹念に造りこまれたその姿は、今にも動き出しそうなほど。そのほか、経済産業省認定の近代化産業遺産である戦艦金剛のボイラーも凄い迫力でした。このボイラーは昭和初期に金剛から撤去された後、科学技術庁などで平成5年まで暖房用ボイラーとして活躍していたとのこと。戦前のしっかりとした技術水準の高さに驚かされました。
展示はほかにも、戦争の歴史なども踏まえ、現在の呉へと繋がる紹介がされていきます。平和の大切さをかみしめるとともに、日本はやはりモノ造りの国であることを、改めて実感しました。

江戸時代の港町の姿を今に残す、御手洗

旅の2日目は、少し足を伸ばして瀬戸内海の島を訪ねました。ガイドブックに載ってはいるものの、わずか1ページで小さく紹介されているだけの大崎下島です。
デミオと私は、安芸灘大橋をはじめ、立派な橋をいくつか渡っていきます。緑の山々に柑橘類のオレンジ色や黄色が、星のように輝いています。そして真っ青な海。真冬なのに、窓を全開にしても寒さは感じません。自然の温かみが私の肌を包んで行きます。心地よいドライブを1時間半ほど続けた後、御手洗へ到着しました。
江戸時代から明治時代にかけて、瀬戸内海を航路とした船が、よりよい風や潮を待つために寄港していた、ここ御手洗。しかし、機関化などによって寄港する船も少なくなり、いつしか街は静かになり、今に至っています。あまりにも古く、あまりにも美しい街並みです。白壁に、瓦屋根、格子窓。一軒一軒はとても立派です。そして、クルマも通れないほどの路地。

なのに、なぜか観光客は私1人だけ。すれ違う人も本当にわずか。島であるからか、遠くを見ても現代風の建物などは、一切見えません。電柱もありません。本当にタイムスリップしたかのよう。
ただ、さまようようにして歩き続けました。かつての島の繁栄を象徴するような遊郭の若胡子屋跡(わかえびすやあと)、昭和初期の劇場「乙女座」、明治時代から続く時計店。そして、とうに廃校になった小学校のグランドが印象に刻まれていきました。
私は、島を見下ろす小さな広場に出て、御手洗を眺めました。空と海とミカン畑、家並み、そして島々。広島がこんなに素敵なところだったなんて、まったく知りませんでした。もう一泊したい衝動にかられました。でも、旅には終りがあるから良いのだと、自分を納得させて、また広島空港を目指すことにしました。



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※この記事は2011年2月09日現在の情報です

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