クルマで遠足

クルマに乗って、出かける気軽な旅の記録。

Vol.041

タイムズから行く、浅草散歩

タイムズから行く、浅草散歩

皇居を中心に、東京の西側・東側という概念があります。西の代表は渋谷や新宿。東の代表は上野・浅草。西側は戦後に拡大・成長したのに対して、東側は戦前からすでに繁華街として栄えたところが多く、今でも昔ながらの雰囲気を楽しむことができます。今回はその中でも代表的な街である浅草を訪ねてみました。

タイムズ浅草第11にクルマをとめて、浅草散歩開始です。やっぱり浅草寺(せんそうじ)から訪ねていくのが王道でしょう。浅草寺は、飛鳥時代まで遡ることができる東京でも有数の古寺です。徳川家康を始め、有名武将らの信仰を集めるとともに、江戸文化の中心として繁栄した浅草のシンボルです。

といった歴史のお話はなしにしても、表参道入口の雷門は圧倒的!何でそんなにデカイのと、言いたくなるような大提灯は実業家、松下幸之助氏が寄贈したもので、提灯の下には松下電器と刻まれています。ここで写真を撮らない人はまずいないはず。あちらでも、こちらでもシャッター音が刻まれています。

雷門をくぐると広がっているのが、有名な仲見世(なかみせ)。参道の両脇にみっちりと、ひしめき合うように土産物屋さんが軒を連ねています。定番の雷おこしや人形焼きといった食べ物の他にも、外国人観光客向けと思われる英語の値札がついたド派手な浴衣や、舞台衣装用のチョン髷や花魁のカツラなど、まずもって他の場所では見ることができない商品も多数あります。日本人でも、相当に物珍しく感じてしまうこの独特の品揃え、外国の人には凄い興味を持たせるに違いありません。外国人観光客が増加している最近は、仲見世で働くには英語は必須との話も聞きました。

仲見世の先にあるのが宝蔵門です。門の左右に立派な仁王様が立ちはだかり、中央に下げられた提灯には小舟町と書かれています。こちらの提灯は、日本橋小舟町の信徒の方々が三百年余りも奉納している由緒あるものです。そして左手には、高さ48メートルの五重塔がドーンと空へ向かって、立ち上がっています。五重塔の中に入ることはできませんが、その立派さはひと際目をひきます。そして、最後は本堂です。本堂はただいま工事中。中に入り参拝することはできますが、外観すべてに白いシートがかけられているのです。とは言っても改修されるということは、新たに生まれ変わり引き続き多くの人に愛されるということ。新しくなった本堂を見るのが楽しみです。

続いては浅草大衆文化の中心地、浅草六区を訪ねました。明治から昭和にかけて、演劇・映画のメッカだった地です。数十もの映画館や劇場が軒を連ね、人であふれかえる大通りのモノクロ写真を見たことはないでしょうか? それがここ、六区です。しかし、今でもその面影を残しているのは、通りの広さだけかもしれません。映画館や劇場を見つけることはできますが、ちょっとレトロな感じ。土日になると、場外馬券売場の周りに人が集まるそうですが、かねての賑わいとは違うものです。しかし、ここが芸能の聖地だった証は、浅草公会堂のスターの広場に見つけることができます。森光子、笠智衆、勝新太郎ら200人を超えるスターたちの手形が残されています。自分のお好みの人と手を合わせれば、ちょっと握手したような気分。さらに、思ったよりも大きな手や小さな手を見つけられたりして、面白いものでした。

ここでちょっとお昼休憩。雷門通り沿いにある和食店で大海老天丼を注文しました。期待を裏切ることなく、その名の通り「でかい」です。丼からはみ出たしっぽに感動です。今まで私が見た海老天丼で間違いなく一番大きいはず。価格も2,000円ほど。こちらも天丼に支払った額では最高記録です。味も最高。思ったよりも衣が薄く、海老が大きいだけでなく太い。それだけに、海老のやわらかな甘さがくちいっぱいに広がります。専門店ならではの深い味わいに感動しきりでした。

今度はちょっと足を伸ばして隅田川を越え、浅草から1Kmほどの押上へ向かいました。東京の新しいシンボルになる東京スカイツリーの建設現場があるのです。このスカイツリーは、2012年の完成を目指して作られている高さ610メートルの電波塔です。横浜のランドマークタワーが296m、東京タワーが333mですから、その高さは圧倒的です。

建設現場は、北十間川のほとり。カーン、カーンと小気味よい音に包まれた建設現場が見えてきました。すでにその威容さが現れ出しています。地上で展開する数台の伸びきったクレーンよりも、さらに高いツリーは、今のところおよそ88m。その高さもなかなかなかですが、これからさらに伸びる先端部分を支える土台部分の大きいことに驚きます。足場に囲まれ、鉄筋と鉄骨が縦横無尽に走るその姿は圧巻。SF映画のワンシーンを見ているような感じです。完成してしまえば、建設中だった頃の姿を見ることはできないもの。そう思うと、スカイツリーの成長ぶりをこまめに観察するのも面白いかもしれません。


再び浅草寺へ戻りました。ライトアップされた姿を見るためです。雷門をくぐると、仲見世のほとんどはシャッターを下ろし観光客の姿もまばらです。あっという間に、五重塔の前に辿り着きました。空の上の方から紺色に染まり、それにつれて五重塔の屋根が深い黄色に輝いていきます。派手なライトアップではないものの、昼間に見る以上に存在感が際立っていきます。昼間と違う浅草寺に、いいようもない興奮を覚えました。近くにいた外国人観光客も、同じく興奮気味です。「グレート!」と彼はこちらを向いて言いました。さすが千数百年もの歴史を持つ、浅草寺。その存在はまさにグレートという表現が相応しように思われました。

オススメの浅草のタイムズはこちら

タイムズ浅草第11


東京スカイツリーの建設現場の見学にはこちら

タイムズ押上第6


※この記事は2009年8月04日現在の情報です

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