クルマで遠足

クルマに乗って、出かける気軽な旅の記録。

Vol.035

タイムズから行く、水戸小旅行

タイムズから行く、水戸小旅行

「梅は咲いたか、桜はまだか。」これじゃ、梅がかわいそうだ。桜の露払い程度にしか期待されていないようだ。しかし、よーく見てみよう。ちょっと花はこぶりだが、白や紅の色は桜よりも可憐じゃないだろうか。大木が多い桜に比べて、小ぶりな木が多いのだって、奥ゆかしくて良いじゃないか。そして、桜よりも早い時期に咲き、春の訪れをいち早く感じさせてくれるのだって、良いじゃないか。

そんなことを考えながら、梅で有名な偕楽園がある茨城県の水戸へと向かった。水戸へ行くのは、今回で2度目。3年前に行ったときは、下調べなしで行ったため、偕楽園の梅のつぼみは雨の中、固く閉じたままだった。しかし、今回は大丈夫。ホームページを確認したところ、すでに5、6分咲きのようだ。

水戸は東京都心からわずか100km程度。1時間半~2時間もあれば、十分な距離だ。
首都高の流れも、スムーズだ。水戸へともに向かうトヨタのパッソセッテも好調だ。思いのほかパワフルだし、がっちりとした乗り心地。本来なら、家族ドライブが相応しいのかもしれないが、今回は一人旅。しかし、まぁそっちの方が気楽であることに間違いない。

偕楽園

トヨタ パッソセッテ

トヨタ パッソセッテ

水戸はご存じの通り、徳川家のお膝元。その中でも有名なのが、水戸黄門の徳川光圀(第2代藩主)。そして江戸幕府最後の将軍となった徳川慶喜も水戸徳川の出身だ。しかし、ここ水戸において、歴代の藩主の中でも特に大きな足跡を残しているといえるのが、第9代藩主の徳川斉昭(烈公)だ。江戸時代後期に活躍した斉昭は、藩政改革に成功し、幕政にも大いに関わった人物だ。その斉昭が自ら造園構想を練り、開園させたのが偕楽園だ。

まず驚かされるのが、その広さ。なんと東京ドーム3個分、13万9,000m2を誇っている。園内を常磐線が通り、梅まつりの間は偕楽園臨時駅に列車が停車するほど。植えられた梅は、約100品種、3,000本だ。見渡す限り、梅、梅、梅。早咲きの品種はすでに満開になっているので、この時期でも申し分ない。花もよくみれば、品種が違うと結構違う。色が違うのはもちろん、花弁の数が違っていたりするのは少し驚きだった。

徳川斉昭は、偕楽園の中にもう一つ興味深いものを残している。それが好文亭だ。黒塗りの壁は一見、質素な木造家屋といった雰囲気だが、中に入ると徳川斉昭のこだわりが感じられる。美しい襖絵や建具、そして驚きの屋内エレベーター。斉昭自らが建築意匠を決めたそうだ。3階からは、先の梅林そしてその向こうの千波湖を眺めることができる。天気の良い日には、遠く筑波山まで見渡せるそうだ。

好文亭

偕楽園のほかに、もうひとつ見逃せないスポットがある。それが、弘道館だ。こちらも江戸後期に徳川斉昭が建てた藩校で、いわば今の大学のようなもの。当時の藩校では日本一の規模を誇り、儒教、歴史、天文、数学、音楽、武術など、ありとあらゆる学問を藩士の子弟たちに教えていたそうだ。ここまで徹底した教育機関を設けたのも、当時の社会情勢を反映させてのもの。外国からの開国を求められた厳しい状況の中、国の独立と発展を担う人材を育成するためだった。
といったことを別にしても、ここ弘道館は良い。庭に咲く梅は、本数こそ偕楽園に劣るものの美しい。建物は重厚で、華美な装飾は一切ない。中に入ると「尊攘」と書かれた掛け軸に迎えられる。気合いを感じる。とても私なんかは、ついていけそうにない。しかし、パンフレットの説明書きを読んでみると、試験は月に2回あったものの、卒業という制度はなかったそう。これなら、耐えられるか。こんなことしか、思いつかない僕は弘道館に入る資格なんて、そもそもないということだ。

弘道館

偕楽園、弘道館を回って水戸と徳川斉昭を身近に感じた。水戸では、3月31日(火)まで梅まつりが開かれている。満開になるのは、きっと3月の上旬ごろだろう。「梅は咲いたか、桜はまだか」なんて言わずに、まずは梅の魅力をみなさん、再発見してほしい。

オススメの水戸のタイムズはこちら

タイムズ水戸南町

オオキの「これだけは言わせて!」

トヨタ パッソセッテ

ボディカラー:アプリコットキャンディメタリック(グレージュ)
車両本体価格173万3,500円

パッソセッテは、トヨタとダイハツの共同開発によるミニバン。トヨタのWEBサイトを見ると、有名主婦モデル7人が登場して、パッソセッテの魅力が紹介されている。こんな感じだと、飛び道具的な機能・性能があるのかと思われるが、そういうわけではない。使いやすさにこだわったら、意外と地味なデザインが結果的に良かった。そんな感じだ。でも、日常使いがメインなら、それが正解なんだと思う。子供の送り迎えや日常の買い物に、とんでもなく大きいバンや、やたら馬力のあるクルマが必要だろうか。取り回しがよく、乗る人みなが快適に過ごせるクルマが良いのではないだろうか。
パッソセッテは、そんな人におススメだ。子供の世話がしやすいベンチシート、日焼けから肌を守るUVカットガラス、ゆとりのラゲッジスペース、そして安心の6エアバッグシステム。別に真新しい機能があるわけではないけれど、あると本当に便利なものがしっかりとある。それが特徴といってよいだろう。
最高出力109ps/最大トルク14.4kg・mの1.5Lエンジンは、思いのほかパワフル。家族旅行で遠出するときも、必要十分な走りをしてくれるはずだ。シーケンシャルシフトマチックもついているから、お父さんも走りを結構楽しめるだろう。ホンダフリードをはじめライバル車も多いが、おススメしたいクルマだ。


※この記事は2009年3月03日現在の情報です

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