クルマで遠足

クルマに乗って、出かける気軽な旅の記録。

Vol.031

タイムズから行く、甲府・昇仙峡小旅行

せいぜい10月の上旬に奥日光の木々が紅く染まっているというニュースを見たきりで、紅葉前線の南下について気にとめることもなかった。そんな時に持ち上がった甲府への小旅行。クルマは以前から気になっていた、ホンダのフリード。今年、最初で最後であろう紅葉見物に、甲府とその北西部にある昇仙峡を目指した。

ホンダ フリード 7人乗り FF/CVT

うっすらと冬の青さを秘めた秋空がどこまでも広がっている。首都高速でも、清新な空気を感じる。こんなことは滅多にない。フリードの走りも快調。八王子ICを過ぎた頃には、赤や黄色に染まった木々が空に負けじと存在感をアピールしている。桜など葉の落ちるのが早い木々のためだろうか。中央道はあちらこちらで、車線規制をして清掃をしている。多少の渋滞が起こっているが、もしも掃除していなかったら大変なことになるだろう。いつもながら、作業員の方には頭が下がる。


いくつもの山を越え、トンネルを抜けると視界が広がった。甲府盆地に入ったようだ。山が遠ざかり、町が広がっている。道もまっすぐだ。隣の国なんて表現したら大げさかもしれないが、知らぬ町にやってきたことを実感。
甲府昭和ICから、ほどなくすると甲府市街へと入った。まずは、最寄りのタイムズである「タイムズ甲府朝日」にフリードをとめて、市内を散歩する。駅前は結構なにぎわいだ。サラリーマン、買い物客、観光客とかなりの人がちょっと気忙しく歩いている。それを見下ろすように、駅前の広場には、武田信玄の銅像が鎮座している。おっかない顔、恰幅の良い体、堂々たるものだ。よくある鳥のフンまみれの銅像とは訳が違う。ピカピカだ。まるで、今でも甲斐の国を治めているかのような威厳を感じる。観光客もこぞって写真を撮っている。さすが武田信玄だ。

駅から5分ほど歩くと舞鶴城公園が広がっている。武田氏が滅ぼされた後、豊臣秀吉らによって築城された城跡だ。残念ながら天守閣などは、とうに失われているが、石垣は修復されながらも400年以上も前のまま残されている。その石垣脇には、紅葉などが美しく色づいている。いい景色だ。本丸のあった天守台まで上がると、甲府の街を一望できる。四方を山に囲まれているのがよくわかる。盆地は夏暑くて冬寒いとよく聞くが、この景色はきっと街の自慢だろう。北の方に目をやると、次に目指す昇仙峡が自分を誘っているのように感じた。日が落ちるのも早いことだし、フリードとともに移動しようか。


昇仙峡は山梨を代表する景勝地として、有名な渓谷だ。距離的にも甲府の市街地からクルマで30分程度。こんな近距離なのに、そこに広がる世界は素晴らしい。息を飲むような紅葉の世界だ。亀石、ラクダ石、えぼし石など奇岩がゴロゴロしている荒川沿いの小路をフリードでゆっくりと走る(平日上流へ一方通行・土日祝は歩行者専用)。空も路上も赤や黄色の葉に包まれ、なんとも贅沢な世界が広がっている。ちょっと寒いが窓を開けると水の音が聞こえる。風の音とからまり、心地よい自然の音だ。この道を抜けて、途中の県営駐車場にフリードをとめて、上流へ向かって歩き出した。

まず、見つけたのが、男性ののっぺらぼうのようにも見える覚円峰(かくえんぽう)という山肌に現れた奇岩。自然の勝手な造形に驚くばかり。髭のように木々が岩の間から生えている。その昔、覚円という僧がこの岩で修業したそうだ。案外、この形は覚円に似ているんじゃないかと思ったりもした。

次いでは、仙娥滝という昇仙峡でも随一の滝が迎えてくれる。紅葉の間を見事な水量で流れ落ちている。高さは30mもあるだろうか。この滝を抜けると、不思議なほどたくさんの土産物屋が軒を並べている。その中でも多いのが石屋さん。青や紫の石がこれでもかというほど売っている。中には、数百万円のものも。果たして誰が買うんだろうか?僕の部屋においたら、床が抜けそうな大きさだ。どこかの偉い人が庭にも飾るんだろうか? 他にも影絵の美術館や、ロープウェイ、名物のほうとうが食べられる店など、ここだけで丸1日楽しめそうなほど、施設が充実していた。

しかし、気づけばもう日が傾いている。まだまだ紅葉の世界から抜け出したくない気もしたが、仕方ない。紅葉前線も、あと何日かしたら東京へも降りてくるだろう。後は、そちらで楽しもう。

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今回のドライブコース

甲府へ

首都高~中央自動車道甲府IC
所要時間 2時間

オオキの「これだけは言わせて!」

ホンダ フリード 7人乗り FF/CVT

ボディカラー:バスクレッド・パール
車両本体価格196万3,500円

新しいタイプのコンパクト・ミニバンとしてデビューしたフリード。1,500ccタイプでどこまで室内スペースが確保できているのだろう?というのが、乗る前の疑問だった。だけど、ドアを開けると納得。かなり広い。3列目シートは、ほとんどのミニバンがほんのおまけ程度で、ここに座るのはちょっと…という感じのものが少なくなかったが、フリードの3列目はかなりゆったり。僕は身長180cmだが、それでも特に窮屈さは感じない。本当に7人乗れる、7人乗りタイプのミニバンといって良いだろう。

デザインも、すごいカッコイイ!とかいう次元ではないが、極端に個性をアピールする訳でもなく、地味でもなく適度な感じ。新しいフィットが、子供ならちょっと成長して中学生くらいになった感じか。走りも定員7人が乗ったら重たいかと思うが、1人で乗っているうちは予想以上に快調。インテリアも、無駄がなくシンプルな感じで使いやすい。室内のゆとりも十分だから閉塞感も感じない。

人によっては、中途半端な存在に思えるかもしれないが、真っ向からこのフリードに対抗するライバル車も見つけることはできない。うまく、グレードとグレードの隙間をついた新タイプのクルマといえるのではないだろうか。


※この記事は2008年12月02日現在の情報です

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