クルマで遠足

クルマに乗って、出かける気軽な旅の記録。

Vol.007

エリシオン プレステージで行く沼津

目的地の沼津には、今まで行ったことがなかった。人から聞けば沼津漁港の周りには、あがったばかりの魚を出す店がひしめきあい、週末ともなればその味を求めて遠方からも多くの観光客がやってくると言う。食欲の秋、なんとか本場の味を満喫したいものだ。

前日の大雨が嘘だったかのように、晴れ渡っている。ラジオに耳を向けると「私、今日の番組が終わったら、そのままドライブに行きます!」と言っている。このシチュエーションは昨日の天気予報の予想通りか、それ以上。晩秋とも言えるこの時期に現れた小春日和。いつもより空は高く、薄いブルーのグラデーションの中に、ちぎった脱脂綿のような雲が漂っている。今日の車はエリシオン プレステージ。朝の日差しが、くっきりと美しいシルエットを照らし出している。ステアリングを握った瞬間から伝ってくる、上質な走りと躍動感。この心地良い空間に抱かれる幸福を感じた。

東名高速へと続く首都高3号線に乗ると、早くも向こうに富士山を見つけることができた。ようやく北国から雪の便りが届いたばかりなのに、ここから見える山頂から中腹にかけてはすでに真っ白だ。西へ走るにつれてその姿は徐々に大きくなり静岡県に入った先からは、運転席から真正面に見えた富士山も北の方向、つまり右側に位置を変えていった。

沼津ICを降りると、かなり活気ある町並みが続く。大型店が国道沿いにひしめきあい、車も多い。少し走り続けると、目指す沼津漁港が見えてきた。大きな倉庫がいくつもならび、中心部には観光客があふれている。その視線の先は、やっぱり寿司屋などであっちにフラフラ、こっちにフラフラといった感じで時折クラクションを鳴らさないといけないほど。僕も駐車場にクルマを置いてから、一直線に魚の宝庫へ向かった。

一体全体、何軒の店があるのだろう。どの店も通りにちょっと派手なメニュー写真を並べ、客の気を引こうとしている。こちらも、迷いに迷う。寿司が良いのか、刺身が良いのか、それとも丼ものが良いのか。ほかには、フライもあれば焼き物もある。こっちの通りに入っては迷い、あっちの並びを歩いては迷う。もうこうなれば、決め手は見た目とボリューム重視ということで丼を出す店に決めた。

店には、桜塚やっくんと美川憲一がテレビの取材で来店したときの写真が飾られている。これを見て味に期待ができるかというと、判断に迷うが客の入りも上々。それなりの人気店であることが分かった。海鮮丼を注文してからジリジリと待つこと10分。目の前に出されたのは、期待通りの魚のパラダイスだ。海老、蟹、マグロ、鮭、イカ、ハマチ、アジと7色の魚がこれでもかとばかりのっている。どの食材も濃厚な味を残しながら舌の上をすべっていく。そして、海鮮丼の食べ方としては邪道だろうし、寿司屋でやったら怒られそうだが、違う具を一緒に食べるとまた違う味がする。海老とマグロなんかは面白い。海老のプリプリとした食感に赤身マグロのザクっとした味わいが溶け合うと、新たな味覚が楽しめる。そんなこんなで、海鮮丼はあっという間に空になり、また外へと出た。

漁港の店は、食べ物を出す店だけではない。食材の販売をしている店も多い。普通にアジの干物とかが多いのかなと思うとそんなことはない。マグロの兜(頭)1,000円。安いのか高いのかよくわからないが、こうもたくさん並んでいると、壮観だ。さらに、真ダコの長~い足が1本1,498円。これはかなり食べがいがありそう。しかし、延々とタコばかり食べた経験がないことに気づく。そして生まれて初めて見たのが、イルカのスペアリブ500円。スペアリブということで、もちろんイルカの形はしていないが、かなりのレアものだ。すでに、こんがりと焼かれていていい感じで脂がのっていそうなのが分かる。しかし、すでにお腹はいっぱい。今回は見送ることにしておいた。ちなみにメルマガ読者のみなさんのプレゼントには、試食したらかなりおいしかった「はちみつ入りのしいか」を用意しました。

さて、満腹になり、次に向かった先は一転して落ち着いた空気が流れる沼津御用邸。海岸沿いに広がる由緒ある庭園公園だ。造営されたのは明治26年というから100年以上も前のこと。もとは当時皇太子だった大正天皇の御静養地。すでに本邸は焼失してしまっているが、西と東の二つの附属邸が残り公開されている。しかし、どちらも附属邸といえでもさすがに立派。使用人の部屋がいくつも連なり、庭を見渡す一番眺望の良い部屋が皇族方の居住所である御座所になっている。もちろん座れないが、花模様の入った作りの良さそうなソファは、今もその品格を保っている。他にも客を引見した謁見所には菊の御紋が入った椅子が置かれ、まさしくここで皇族方がくつろがれたことが分かる。他にも展示物がいくつかあり、昔の電気ストーブや各部屋に持ち運ぶための電気スタンドなど、当時の暮らしが伺える。また、皇族方のゆかりの品では、昭和天皇が幼少時に着用されていた「ちゃんちゃんこ」まで展示されていたのには驚いた。

帰りは、ゆっくり三島の町も散歩してみた。富士山を源にする湧き水が清らかな柿田川公園で一休みして、町の向こうに見える夕日に染まった富士山を眺めた。街と自然、そして食が見事に融合している沼津と三島。秋のドライブに相応しい一日が終わっていった。

 


取材協力:ホンダ 広報部
 http://www.honda.co.jp/


今回のドライブコース=静岡・沼津へ=


首都高→東名高速→国道246号
◆片道料金3,700円
◆所要時間2.0時間

オオキの「これだけは言わせて!」

ホンダ エリシオン プレステージSZ

ボディカラー:ブルーイッシュ・ホワイト・パール
車両本体価格451万5,000円

「いいクルマ乗ってるね~」。今回の遠足で、駐車場の係員の方にかけられた言葉だ。自分のクルマでないから答えに窮してしまうが、その言葉通りエリシオン プレステージは良いクルマだ。居住性・走り・デザインどれをとっても非の打ち所がない。
デザインは、エリシオンよりもより精悍さが増すとともに、高級感にあふれている。しかし、無駄にリッチなイメージを高めた訳でもないので、とても好感が持てる。

ステアリングを握って、アクセルを踏み込むとすべるように走り出し、高速でもグイグイと加速していくパワフルな走り。そして安定感。高速巡航性能はかなりレベルが高い。そして、静粛性も高く、快適なクルマの旅を楽しめることは間違いないだろう。

少し長い休暇を取って、この車で日本縦断の旅に出られたら何て幸せだろう。エリシオン プレステージはそんな夢を描きたくなるクルマだと思う。

※この記事は2007年11月20日現在の情報です

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