クルマで遠足

クルマに乗って、出かける気軽な旅の記録。

Vol.006

トヨタ カローラルミオンで行く、日光

遠足や修学旅行の定番、日光。ところが僕は子供のころ関西に住んでいた関係で、この歳になるまで、まともに日光へ足を運んだことがなかった。学生時代に友人と当てのないドライブで近くまで行ったことはあったが、華厳の滝も日光東照宮も見ずに、なぜか日光江戸村だけ見てあっさり帰ってしまった。それ以来、なんとなく足が遠のいてしまっていた。

それから10年以上。ようやくその機会がやってきた。赤や黄に山々が染まるこの季節。東京にいても、駅貼りのポスターやテレビのニュースなどで、日光の紅葉がピークを迎えていることを知ることができた。有名ないろは坂はどうやら例年通り大渋滞の様子だが、そんなことに構ってはいられない。秋晴れの早朝に僕は、カローラルミオンに乗って日光へと向かった。

東北自動車道を経て、日光宇都宮道路へ出ると一気に紅葉が深まったような気がした。木々が美しく色づいている。秋の世界へ向けてまっしぐらに走っているのを実感する。日光市内へ入りルミオンから降りた。向かうは言わずと知れた日光東照宮だ。徳川家康を祀った東照宮は、全国各地から40万人にもおよぶ彫刻物大工が集められて造営されたという。
その豪華さは、見ていて楽しくなるほどだ。金・朱・緑・青・黄と原色がこれでもかとばかり、どの建物にも使われている。そして、精巧に彫り上げられた仁王様・狛犬や竜には、おどろおどろしさはなく、ちょっと丸みを帯びたシルエットが愛らしく、とてもポップな存在に思える。その中でも象徴的なのが、三猿と眠り猫だ。「見ざる、聞かざる、言わざる」をはじめとする猿はとても現代的。アニメのキャラクターとして、今でも十分に通用しそうだ。眠り猫の方は東照宮裏手の山の入り口にある坂下門に彫られている。ところが、ここだけ別料金の500円。しかし、みな有名な眠り猫を見るためだけに、この料金を払い続々と入っていく。日本で一番、稼ぎがありそうな眠り猫はこの料金を払ってもその価値があった。まるで生きているかのうように可愛い。手を差し伸べて、喉のあたりをさすったら「ゴロゴロ」と喉を鳴らしそうだ。

ほかにも東照宮には、寺に興味がなくても楽しめるものがたくさんある。真っ赤な五重塔、500あまりの彫刻が施された陽明門だ。「どうしてこんなに派手なのよ」と唖然としてしまうほどだ。見れば見るほど、新しい発見ができる。正直、こうやって見るだけでも大変なのに作る方はどうだったのかと思うと、気が遠くなりそうだった。
最後は話に聞いていた鳴龍だ。薬師堂の天井に描かれた水墨画の龍はそれだけでもド迫力なのだが、これがさらに鳴くという。係りのお坊さんが、火の用心で使う拍子木を龍の下で大きなポーズで振りかぶって叩くと、あら不思議。床と天井がうまく共鳴しあって「キーン、キーン」と何度も山びこのように龍が鳴き続けるのだ。これには、拝観者一同、びっくり。特に外国人の方は、口をポカーンと開けたままだった。

昼食に選んだのは、やはり名物の湯葉に関するもの。東照宮近くの食堂で湯葉うどんを食べた。湯葉は、もともと肉食を禁じられた僧侶が、肉に代わるタンパク源として食べていたもの。原材料は豆腐と同じ大豆だ。口に入れると味はまろやかで、やわらかな歯ごたえを感じたあとにジュワっとほのかに甘い汁が広がってくる。今まで食べた湯葉とくらべものにならないほど、おいしい。やっぱり本場で食べるものは違うなと、改めて実感した。

この後は、紅葉街道として有名ないろは坂を登って華厳の滝へ。右を見ても左を見ても、麗しい限りの光景が続く。そして圧巻の華厳の滝も2、3日前に降った雨の影響で、水量も豊富。水が落ちるゴーっという音が、とても心地よく時間が経つのも忘れて佇んでしまった。
さらに、日光の旅は続いた。中禅寺湖のほとりで落ち葉を踏みしめながら湖畔を散歩し、水の冷たさを感じた。そして、また少しルミオンを走らせて戦場ヶ原へ進んだ。ここまで来ると、日光の新たな一面が広がっている。見渡す限りの湿地に、すでに葉を落とした白樺がポツポツと佇んでいる。吐く息も白く、すでにここは冬を迎えているようだ。少し奥へ歩を進めると、何も音がしない。東照宮を見たことがとても昔のように思える。日光は奥深い。時を越えた魅力が心に刻み込まれた。

 

取材協力:トヨタ自動車 広報部
 http://www.toyota.co.jp/


今回のドライブコース =栃木・日光へ=


首都高→東北自動車道→日光宇都宮道路
◆片道料金 4,030円
◆所要時間2.5時間

オオキの「これだけは言わせて!」

トヨタ自動車 カローラ ルミオン 1.8AEROTOURER

ボディカラー:シルバーメタリック
車両本体価格210万円

なんだか凄い、カローラだな。誰もがCMを見た時にそう思ったのではなかろうか。現行のカローラのバリエーションは今のところ、アクシオ、フィールダーの2つ。まさか、3つ目のバリエーションがこの四角い個性派になるとは、誰も予想できなかったに違いない。ところが、いざ乗ってみると、このクルマにカローラの冠が付けられたのがよくわかる。しっかりとした剛性感に取り回しの良さ、走りの安定感もこういったトールタイプのクルマにしては抜きに出て良い。

さらに、他のカローラではちょっとギリギリかなと思った室内空間もゆとりを感じられる。前後席の空間は920mmを確保し、かなりの広さ。大人4人でも十分にリラックスしてロングドライブを楽しめそうだ。インパネもかなり個性的。4連の丸型メーターは、見た目はちょっと驚くが、見やすくインテリアデザインにもしっくりと馴染んでいる。また、天井上にはブルーのイルミネーションランプが設置され、夜間には室内を青く照らし出してくれる。

個性的な存在感、そしてデザインがまず目を引く、カローラルミオンだが性能的には、とても全うなクルマであることが分かる。見た目では、bB、キューブ、さらにProboxまで引き合いに出されそうだが、すべての面でこれらのクルマよりワンランク上だと感じた。ちょっとでも気になったらぜひ試乗をして、このクルマの良さを実感してもらいたい。

※この記事は2007年11月06日現在の情報です

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