クルマで遠足

クルマで遠足

クルマで遠足 Vol.104

スバル インプレッサで行く川越の旅


欧米に比べると日本は寺や神社に対しては手厚く保存しているが、こと街並み、もっと言えば民家に関しては無頓着だ。確かにそうかもしれない。ヨーロッパでは、100年以上前に建てられた集合住宅も決して珍しくなく、昔とほとんど変わらない街並みが今に残っている。しかし、日本で言えば鎌倉などは、古くからの寺や神社は多いが、昔ながらの街並みが残っているのかと言われると、そうではない。今風の戸建住宅がほとんどで、戦前からの民家を見つけることは困難だ。

そう思うと、関東地方では小江戸と呼ばれる千葉県の佐原、栃木県の栃木と並んで、埼玉県の川越は、貴重な街になる。蔵造りの建物が数十軒残り、そのほとんどで今も暮らしの営みが続いている。ただの飾りでない、生きている昔の街が残っているのだ。今回の旅を共にするのは6月にデビューしたばかりのニュー・インプレッサ。新しいクルマで古き街を訪ねた。

インターから降りたばかりだと、あまり特徴のない街並みが続いていたが、市街地へ入ると徐々に古い建物が目に付いてきた。降ったりやんだりの雨が街をしっとりと濡らし、より風景に深みが増している。蔵造りの街並みは、本川越の駅からだと徒歩5分程度の通り沿いに広がっている。黒っぽい壁に、虫籠窓(むしこまど)、そして広く取られた間口。一軒、一軒が大きくとても立派だ。川越の蔵造りの街には、200年以上前に建てられたものもあるが、実はそのほとんどは明治中期のものだ。当時、多くあった大火事に強い工法として蔵造りが用いられ、さらに西洋の建材であるレンガなども適宜使われているのが特徴的だ。

そういった歴史的背景や、建物の内部を見るには「蔵造り資料館」を訪ねるのが良い。元は煙草問屋だった建物は、豪壮な雰囲気だ。漆黒の壁に瓦屋根、そして立派な装飾が施された鬼瓦。ところが中に入ると、とても落ち着いた和室が連なり、住心地はよさそうだ。一方、足元に目をやると「穴蔵」という地下倉庫が口を空けている。普段は金庫代わりに使用していたようだが、火事が起きた際に貴重品を投げ込んだり、夏場には涼を取るための空間としても活用していた、昔ながらの知恵が詰まった空間だ。

蔵造りの街並みの中ほどには、1日に4回ゴーンと時を知らせる「時の鐘」という櫓(やぐら)がある。幾度も立て直されたものの400年以上もの歴史を持つ、いわば時を越えた存在として、今も街の人々に愛されている。実際に見上げると、かなりのもので2階屋が普通だった昔なら、本当に特別な存在だったに違いない。そして、これだけ立派な櫓が建てられたのも川越の繁栄ぶりを象徴しているようだった。

歩道は、観光客であふれている。みな手に手にガイドマップを持ち、気に入った建物を撮影している。通りにはクルマが多く、決して撮影もしやすいとはいえないが、少し道が混んでいるときにカメラを構えると、ドライバーも心得たものでフレームに入らないようにちょっと手前で止めてくれる。街並みだけでなく、人々の心にも昔の人の気遣いが生きているようで嬉しくなった。

食事は、梅雨のしめった空気を吹き飛ばす、よく冷えたうどんを食べた。ここも蔵造りの建物で、少し今風に改装しているものの昔の雰囲気が色濃く残っている。少し薄めたゴマだれは、品良く甘い。そして付け合せの炊き込みご飯もやさしい味わいだ。まるで人の家に呼ばれてごちそうになっているような感じで、すっかりリラックスしてしまった。

蔵造りの街を歩いたあとは、550年もの歴史を持つ川越城の本丸御殿へ向かった。高校野球の予選が行われていた野球場脇に、御殿と呼ぶに相応しい木造建築が現れた。今残っているのは16棟もの建物が広がっていたうちの、わずか一部だがそれでもかなり広い。そして、中には武士の人形が鎮座していたりして、本当に江戸時代に迷い込んだようだった。

ゆっくり一回りして見学した後に外へ出ると、高校野球はもう終わっていた。川越城を作った太田道灌も、まさか本丸御殿の前がこんなに風に代わっているとは驚きだろう。しかし、これが今の川越。バスに乗り込む球児をみながら、そんなことを思った。


今回のドライブコース =川越の旅=

中央高速練馬IC→川越IC

◆片道所要時間0.5時間
◆ 片道料金800円

オオキの「これだけは言わせて!」

スバル インプレッサ 20S

ボディカラー:スパークシルバー・メタリック
車両本体価格2,362,500円

ついにデビューした3代目のインプレッサ。今までの4ドアセダンとスポーツワゴンという2タイプから5ドアハッチバッグに一本化。ホイールベースは、前モデルよりも95mm延長され、ボディサイズも3ナンバー化した。このサイズアップは、どうやらWRCを戦う上での戦略もあったようだが、市販車でもこのメリットは大きい。走りの安定感がより増し、車内空間もゆとりがかなり出た。5ドアハッチバッグだと、どうしてもコンパクトな先入観を持ってしまうが、リアシートのレッグスペースなどはかなりゆとりがある。

気になる走りは、やっぱりスバルのクルマって良いよなと感じられる。水平対抗エンジンがもたらす低重心、思い通りにクルマを操っている実感が持てて、さらに滑らかな走りを実現する新開発のSIシャシー。もちろん、加速も十分だ。

スバルのクルマというと、どうしてもマニアックな層にアピールしてしまうが、今回のインプレッサは、良い意味で一般的かもしれない。少しでも気になった方は、ぜひとも試乗をオススメする。

取材協力:富士重工業 広報部
http://www.subaru.jp/

※この記事は2007年7月24日現在の情報です

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