クルマで遠足

「えっ！このフカヒレ凄い！」
エリが雑誌で見つけたのは、横浜・中華街のフカヒレ専門店の広告。普通なら、ここでパソコンを立ち上げて、検索して、ホームページを確認して、さらに地図をプリントアウトしてということになるけど、エリが取り出したのは、パナソニックが今秋発売したばかりの「旅ナビ」。

「えっと、カメラを電話番号に向けて」
カシャッ！「よし、これで場所も、お店の情報もＯＫ！それで、旅ナビのMYガイドブックに登録すれば、安心ね。あとは、誰を誘おうかな？」
思いついたのは、中華が大好きなユカ。絶対に喜ぶはず！
「うん、日曜日ね。最近、ちょっとご無沙汰だったしね。誘ってくれてありがとう。私、横浜ってあんまり知らないから、ガイドブック買っておこうか？」
「いいの。いいの。私、この前旅ナビ買ったから、これ1台で大丈夫。女子旅の強い味方よ！」
「えっ、それって何？聞いたことがあるような気もするけど…」
「それは、日曜日のお楽しみということで」

待ち合わせは、中華街の顔とも言える朝陽門前。ユカも私も珍しく？時間どおりに到着！
「私、デジカメも持ってきたよ。まずはここで、一枚撮らない？」
「じゃ、私はこの旅ナビで、行くよ。はい、チーズ」
「えっ、旅ナビってカメラだったの？」
「カメラ付きのナビゲーションよ。もちろん地図もあるし、他にも色々ね。ほら、今撮った写真もこうやって、地図の上にどこで撮影したのか記録されるの。後で見返す時に便利でしょ。他の機能は、ちょっとずつ説明してあげるね」
「えぇ～、意地悪～！」
ここ横浜中華街は、みなさんもご存じの通り、日本で最大級の中華街。このごちゃごちゃ感は、楽しい半面、ちょっと分かりにくいのも事実。以前に来たときは、お目当ての店が見つからず、四苦八苦した思い出があります。そんな時も旅ナビがあれば大丈夫。
「ちょっと、私に貸して！あっ、この地図の上にいる赤いスカーフの熊さんが私たちなのね。本体もコンパクトで軽いし、頼りになりそうね」
ユカもすっかり旅ナビに興味津々のようです。

廣翔記新館は、今話題のフカヒレ料理専門店。極上のフカヒレ料理をリーズナブルな価格で楽しめるのです。さらに、店内もピッカピカ。
「うわー、信じられない！エリ凄いお店見つけたね！フカヒレの姿煮なんて初めて！」
「フカヒレって、コラーゲンたっぷりで肌にも良いんだよ。それにしても、この口の中でとろける感じ、他では味わえないよね」
「まさしく食欲の秋！他にもフカヒレのシュウマイに、ショウロンポウ。こんな贅沢、一生できそうにないかも！？このコースで2,980円なんて信じられない」

「エリ、お腹いっぱいになったから、次どうする？」
「そんな時は、旅ナビで…。この旅ナビには、ほら女子向けのガイドブック、タビハナが入ってるんだよ。もう、ご飯は食べたから、これかな？わくわく楽しい中華街！」
「ちょっと私に貸して！この横浜大世界って良くない？トリックアートだって！私こういうの大好き！」
中華街のチャイナテーマパーク、横浜大世界。私たち二人は、トリックアートの世界で大はしゃぎ！
こちらは、額からはみ出すように描かれた恐竜（アロサウルス）の絵。
「やだ～。恐竜に食べられる！」
お次は、目の錯覚で人が大きく見えたり、小さく見えたりするエイムズの部屋です！
「エリ、超大きい！」
「ユカ、超小さい」

「ふ～。面白かった。この次は？旅ナビ、旅ナビ！」
「え～っと。こんな時は近くのスポットをおすすめしてくれる寄り道コンシェルジュが便利だよ。どうする。食べて、遊んで…。次は、買うだよね？」
私たちが見つけたのは、中華街から道を1本隔てただけなのに、街並みが一変する元町にあるタカラダ。和洋食器やテーブルウェアを扱う老舗です（もちろん、旅ナビの情報です）！
「うわ～。かわいい。最近は陶器とかにも興味あるんだ」
「えっ、エリも？私もよ。昔は、正直そうでもなかったのに。ちょっと年取ってきたから？」
「違う、違う。いい女になったのよ」
「じゃ、二人で今日の記念にお揃いのカップでも買おうか」
「いいね」

「ねぇ、エリ。次は私に旅ナビ貸して。私も頼りになる寄り道コンシェルジュで探したい。これはどう？異国情緒を満喫山手洋館めぐり、だって」
「いいね。いいね。」
「まずは、山手111番館を目的地にして。後は地図を見ながら…。え～っと、こっち向き？あっち向き？」
「そんな時はこれ、街並みスコープにするの。ほら、カメラの画面に矢印が出てくるでしょ。この矢印の方向に進めば大丈夫。」
「さっすが～。」
ちょっと坂がきつかったけど、旅ナビのおかげで迷わず山手までやってきました。それにしても、山手はすごい。日本じゃないみたい。それどころか21世紀じゃないみたい。古めかしくも、素敵な洋館がいっぱいです。
「本当凄いね。この建物なんだろう」
「何これカメラで写真を撮ると情報が…でてきた！」
「この地に移築されたスイス人貿易商のエリスマン氏の邸宅…。」
「こちらは、ベーリックホール。山手で現存する個人邸では最大規模を誇る…。」
なるほど、なるほど。何か、物知りになった気分。
私たちは、秋の彩りに包まれながら、歩きます。そして、山手111番館のカフェ、ローズガーデン　えの木ていで一休み。ここでは、ちょっと落ち着いて、仕事や趣味の話、さらには恋の話にも。素敵な落ち着いた時間を過ごせました。

「ねぇ、最後、もう1カ所ぐらい、見ていく？」
「ユカの行きたいところで良いよ。はい、旅ナビ」
「えっと。ここかな。横浜マリンタワー。昔の彼と行ったことあるんだ」
「えっ、私もよ」
「うふふ。それじゃ、過去を洗い流すっていうことで」
「うん」
横浜のシンボル、横浜マリンタワーは2年前にリニューアルされて外観も中も一新。とってもお洒落な雰囲気です。館内を巡って、私たちは感心しきり。
「全然変わったね。1階のカフェもきれいだし、へぇ～レストランも洒落てる。結婚式場まであるんだ」
そして、エレベーターに乗って展望室へ。
「ユカ、最後にこれも、凄いんだよ。街並みスコープ！」
「カメラの画面にスポットが出てくるんだ～」
東の方がみなとみらいで、北は関内、西は本牧。数々の観光スポットが旅ナビに映し出されます。最後の最後まで、私たちは旅ナビのおかげで、横浜を満喫できました。
「今日一日、面白かったね。凄い頼りになるから、私も旅ナビ買う！」
「だね！今度はユカの旅ナビでまた女子旅に行こう！」