クルマで遠足

クルマに乗って、出かける気軽な旅の記録。

Vol.054

パナソニック「旅ナビ」と歩く、嵐山。

竹林の道 京都 嵐山

旅の決心は、おとといのこと

歩いたからこそ、感じます。水から流れくる風、こずえの隙間からひっそりささやくような風、走る乗物が巻き起こす風。私の髪は、前に後ろに躍らされていきます。それぞれの風が持っている特徴。強さだったり、ぬくもりだったり。東京では気づかなかったことを私は京都の嵐山で感じています。

行きたかったのに、嵐山には、修学旅行で来られなかった。いきなり高校野球の予選の応援に駆り出されて、予定よりも修学旅行が一日短くなって、地元の球場に直行。声を枯らしても、結果は変わらず。それはそれで良い思い出だけど、ずっと残念な気持ちが残っていました。

それから、結構経っています。いつも買っている雑誌が唐突に京都を特集していたのをきっかけに、嵐山が気になって…。名所やおいしいものをたぐり寄せ、私だけのとっておきの旅をしてみたくなったのです。それが、おとといのことです。

パナソニックの「旅ナビ」でルート作成~出発

そんな気持ちのたかぶりに応えてくれたのがパナソニックの「旅ナビ」です。指にしっかりとかかる心地よさ。地図やガイドブックを買うことなく、この一台だけで大丈夫そうです。
インストールされているガイドブック「MAPPLEガイド」の京都版を旅ナビの画面上でたぐって、名所やお店を確認していきます。そして、気になったところには、本のように付箋をつけていって。
「お寺は天龍寺。それに欠かせない、渡月橋(とげつきょう)に、竹林の道。せっかくだから、この甘いのも良いでしょ。最後はトロッコ列車に乗って…」。ルートは、旅ナビに保存しておけば大丈夫。
あとは、明日の仕事を気合いで乗り越えて、早く寝て、新幹線に乗るだけです。
朝は、いつもよりだいぶ早く起きました。睡眠時間は短いけど、旅への期待感はそれと反比例して高まるばかり。「行くよ、京都へ。私のために」。

心はもちろん勇んでいるのですが、新幹線の車窓から、まだ眠っている街を眺めていると瞼が重くなりました。名古屋で無機質な車内放送に、つつかれて目を覚まし、窓越しに見える大津の田園風景を見ると、東京から離れたことを実感し、京都らしい黒壁の家並みに東寺の五重塔を見つけると心が躍りました。

京都タワーで街並みスコープ

知らない街に来た時は、高いところに上って、街を一望しろということが、何かの本に書いてありました。そうすれば街の位置関係が分かり、迷うことがなくなるということのようです。その教えに従って、京都駅の目前にある京都タワーへ向かいました。高さは131メートル、1964年に生まれた京都のシンボル的存在です。東京タワーなどと違い鉄骨を使わない構造。そのシルエットは宇宙ロケットがつばの狭い麦わら帽子をかぶったような感じ。キレイですよね。

展望室は、地上からちょうど100メートル。エレベーターから降りると、360度パノラマの世界が広がっています。新幹線から見えた東寺の五重塔がはるか下に見え、東本願寺や西本願寺の広い境内もよく見えます。そして、向こうの山には夏に行われる送り火の「大」の文字が見えます。ここで、旅ナビです。
カメラが搭載されているんです。好きな方角に向けると画面に、スポット名が映し出されます。

これが「街並みスコープ」という機能で、「こっちが平安神宮で、その先に銀閣寺」などなど、まさしく手に取るように京都の街を理解できます。方向を定めて、これで、さぁ、いざ嵐山です。

渡月橋を渡り、新感覚スイーツへ直行

スタートは、渡月橋。後悔の地、嵐山のシンボルです。だからか、写真などで良く見る景色を間近にすると自然とうれしくなってきます。

嵐山のシンボル渡月橋

旅ナビの地図を確認して歩きだしました。まだ秋はちょっと先なのかな。 山々は紅葉とは程遠い緑色ですが、夏と秋の狭間を感じさせてくれます。

岸辺には、上流からの川下りを終えた小舟が数隻。その向こうに瓦屋根の建物がギラッとした日光を反射させています。でも、川から流れる風はちょうど良い感じ。歩くと分かる空気感です。道行く人々も、私と同じ観光客の方が多いよう。みな思い思いのポーズで記念撮影をしています。

150メートルの橋を渡り終えてから目指すのは、ちょっと早いかもしれないけれど、予め調べておいたスイーツのお店「eX cafe(イクスカフェ) 京都嵐山本店」。リッチな感じの邸宅を改装した話題のお店です。ここで一息ついて、美しい庭園を眺めているうちに、食欲がわいてきました。食べ過ぎかもしれないけれど、旅歩きには甘いものが一番。心も体も喜びますからね。恥ずかしながら頼んだのは二品!

「京黒ロール くろまる」と「天龍寺パフェ」がレトロなテーブルに並べられました。どちらを先に食べようかと迷いましたが、それを察してくれたのか、店員さんがサラッと「天竜寺パフェは溶けますよ、でもくろまるは、溶けませんからね。」と耳元で伝えてくれました。天龍寺パフェは、濃厚な味わいの有機抹茶アイス、ほうじ茶アイス、白玉、小豆が融合した絶妙なバランスを楽しめます。金色のお盆に載せられた日本画のようにも思えるくろまるは、竹炭が練りこまれている凝りよう。でも、もちろん焦げ臭いとか、そんなことは一切なし。ふんわりとした食感に、生クリームが私の味覚を心地よく刺激していきます。わずかに色づいたモミジを眺めながら頂くスイーツは贅沢です。「いいの、いいの」と心の中で呟きながら、幾度となく匙を口に運びました。

天龍寺では「何これカメラ」のガイドが活躍

イケメンの人力車のお兄さんのお誘いを受けながら、土産物屋さんが連なる通りを横切り、次に訪ねたのは世界文化遺産にも登録されている天龍寺。立派な門をくぐり長い石畳を歩くと、自然と心が引き締まります。前知識もほとんどなく訪ねたので、旅ナビにお手伝いしてもらいます。「何これカメラ」です。白壁の建物に向けてシャッターを切ると、天龍寺の説明がでてきます。「1339(暦応2)年に後醍醐天皇を供養するため足利尊氏が建立した寺。嵐山・亀山を借景にした曹源池庭園が見もの…」とあります。なるほど、なんとなく漂う厳しさの理由は、足利尊氏かも。ガイドの写真にもある庫裏(くり)に入り、いきなり目の前に現れるのが立派な達磨の絵画。すごい迫力です。少し上目づかいなので睨まれている感じこそありませんが、大きな鼻、真一文字に結ばれた口にとてつもない強い意思を感じます。その迫力に怖気づいて会釈をして、すごすごと靴を脱いで中へと入ります。

廊下を十歩くらい進むと目の前に広がるのが、旅ナビが教えてくれた曹源池庭園(そうげんちていえん)です。
池、立派な大方丈(だいほうじょう)の屋根、そして木々、山が織りなす空間は、私にでも理解できる美しさ。廊下に腰を下ろして、水面に写し出された木々と山に視点を移すと、より庭園が広々と感じられます。庭先に見つけた彼岸花が印象的でした。

心解放される、竹林の道

天龍寺の次は、竹林の道。天龍寺の裏手にある小道です。高さは優に5メートル以上ありそうな無数の竹が秋にもかかわらず空へ向かって、さらに背を伸ばそうとしています。陽の光は竹に遮られ、私の目もとに届く光はわずか。風で枝と枝がふれあうとサッサッーという独特の音色が耳の向こうで流れ、光だけでなく音までもが竹に支配されています。その圧迫感に押し倒されると、

自然と旅の緊張感がスッと抜けていき、自分の中にたまっていた重たいものが解き放たれていきます。私が思い描いてたのは、求めていたのはこの感覚だと気付きます。東京にない風に吹かれ、光に包まれて、どんどん体が軽くなります。それがあまりに心地よくて、私は竹林の道をいったりきたり。うっすらと汗を感じて、心地よい気分のまま、嵯峨野トロッコ列車の始発駅、嵯峨嵐山駅へ向かいました。

トロッコ列車で風を感じ、心が満たされる

あっ、ちょうど列車は駅を出たばかり。広々とした駅舎には、SLが展示されていたりして十分に楽しめるのですが、まだ少し時間があります。時刻表を見ると、基本的には1時間に1本のよう。まだ次の発車時刻まで20分ほど。旅ナビでワンセグの天気予報を確認。今日一日、天気の崩れはないようです。
すると、改札が始まるアナウンスが聞こえ、黒い四角い顔の列車がホームへ早歩きくらいのスピードで入ってきます。

乗り込むのは、天井のみガラスで、体全体で風を感じざるを得ない、檻(おり)みたいな車両。足元はグレーチング(側溝にかかっている重たい鉄格子と同じだと思います)。想像したこともないような造りの客車です。列車は、車掌さんの挨拶とともに、ホームをゆっくりと離れ、住宅街を走り抜けます。歩道橋下の小さな公園で遊んでいる子供とお母さんに手を振られ、こちらも慌てて振り返します。そして、気づけば岸辺の緑まぶしく、水面輝く保津川が目の前いっぱいに勢いよく流れています。
列車のスピードがつむぐ風が私の髪をなびかせ、ガタンガタンと音を立てながら走る車両の響きが体を揺さぶります。トンネルに入ると車内は裸電球だけの真っ暗闇になったり、景観スポットにくれば一時停車したりとサービスは満点。

さらに、車掌さんが「向こうに見える嵐山温泉の旅館は、素泊まりでも5万円から15万円します」「左手に子ザルがいます!」「保津川下りの船に手をふってください!」などなど、よりどりみどりのご案内。最後には、車掌さんが歌を披露してくれて。おそらく乗車時間は30分ほどですが、あまりにたくさんのことがありすぎて、心の整理ができなくなりそうです。

でも、それが良かった。自然の美しさと人の優しさがごちゃまぜになって、私はいっぱいいっぱいになります。
心は、あまりのご馳走ではちきれて、涙線まで緩んでいったけど、そのままで良いと思いました。別にマスカラが落ちてパンダ目になっても構いません。自分に正直になった瞬間が気持ち良いのだから。

再び京都駅に戻ったのは、19時前。ホームの端に立って、もう一度嵐山の方を眺めました。真っ黒な山だけが見えます。次に来るのは何年後かなって思うと悲しくなりますが、でもよくよく考えると、この一人旅を決心したのは、おとといのこと。それに気付くと気持ちが軽くなりました。
帰りの新幹線では隣のサラリーマンの視線もかえりみず、ひたすら旅ナビで今日の歩行軌跡をたぐって、そのあとは次の京都旅行のルートを模索しました。11月、あの景色が紅葉に染まる時、再び訪れることを自分と約束しました。



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※この記事は2010年10月14日現在の情報です

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